時間割に沿って生活する
「時間割に沿って生活しよう」と聞くと、堅苦しい生活のように思われるでしょうか。
私自身も学生時代、学校の決められた時間割に沿って生活していると、いつも時間に追われているような、せわしなかった思い出があります。
一方で成果を上げている人たちは、決まった時間に決まった行動を取っています。いわば「自分の時間割」を持って行動しているのです。
作家の村上春樹は、朝早く決まった時間に起床し、決まった時間だけ執筆活動をしていると書いています。
哲学者のカントも、朝5時に起床、夜10時に就寝。毎日決まった時間に決まった道順を散歩します。近所の人たちは、カントを見て自分の時計をあわせたという逸話があります。
スポーツ選手も、大事な試合の前に身体と精神の状態を最大限に高めるために、決まった行動をルーティンとして行っています。このルーティンも「自分の時間割」と言えます。
なぜ、自分の時間割を持つと成果を上げられるのでしょうか。
ひとつは、集中力が高まる時間帯、時間の長さが人それぞれあるからです。その時間に行動することで成果があがるのです。
ダニエル・ピンクは、「When 完璧なタイミングを科学する」で人は一般的に、朝は集中力が一番高まる時間帯であると書いています。
自分の集中出来る最適な時間帯を見つけて、そこで一番重要な仕事をこなせばおのずと成果が上がるでしょう。その成果のあがりやすい自分に一番最適なスケジュールが自分の時間割です。
もうひとつは、自分の時間割という枠組みで生活すると安心感が生まれるからです。
自分の時間割に沿って生活すれば、集中力が高まり、パフォーマンスが最大限発揮できるという安心感が生まれ、更に自信が生まれます。
その自信を力にして、目標にチャレンジ出来るのです。
エーリッヒ・フロムは「自由からの逃走」で、人は自由を求めるが、自由が生み出す不安から、自ら自由を捨て去ってしまうプロセスを書いています。
人は自由から生み出される不安、恐れから手に入れた自由をあえて捨て去ってしまうのです。
時間割という枠組みの中にいる安心感は、ある意味自由を自ら捨て去っているといえるかもしれません。
しかし、この時間割という枠組みは更に大きな自由を獲得するためのツールともいえます。
その目的を忘れず、時間割という枠組みに安住せず、やるべき行動を怠らなければ、大きな成果をあげ、そして更に大きな自由を手に入れることが出来ます。
敏感な人は、周囲からの影響を大きく受けてしまいます。その不安や怖れに押しつぶされてしまうかも知れません。
そんな人こそ、自分の時間割を持ちましょう。そうすれば、自分の中に自信が生まれます。そしてチャレンジする力が生まれます。
自分を知り、一番成果があがる時間帯に努力すれば大きな成果が得られます。
是非「自分の時間割」を試してみてください。
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