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03 孔乙己酒家
紹興酒と紹興料理のおいしさに目覚めるお店
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【お勧めシーン】 3〜4人以上でのご飯と飲み
【こんな人に】 ローカル食好き、下町好き、紹興酒好き、賑やか好き、硬いベンチ椅子でも疲れない
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もっと古いのだろうけど、存在を知って最初に行ったのは2012年ごろだったと思う。観光客が多くて有名な店の中ではいちばん好き。みんなが好きになるだけの雰囲気と料理がある店。
2023年現在、周辺の古い家屋はすべて退去してしまっていて、「文廟」さえ閉鎖されてしまっているけれど、かろうじてこの店だけ残っている。ずっと残っていてほしい。
店名は魯迅の小説のタイトル。その小説の舞台・紹興の料理と紹興酒を出している。長年の歴史のなかで、酒飲みたちが「紹興酒にはこれ」と決めてきた料理が揃うので、ほぼどれを頼んでも紹興酒に合う。
なかでもイチオシなのが、紹興酒で鶏のぶつ切りを煮込んだ「金牌太雕鶏」(56元)。鳥だしと紹興酒の旨味がこれでもかと出たスープが絶品。スープがつまみになるという感覚をぜひ体験してほしい。それと「富貴糟拼」(38元)。糟鹵(黄酒の漬け込み調味料)を使った冷菜は絶対においしいのだけど、それの3種盛り。これだけで永遠に飲んでいられる。
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紹興酒も甕から注いでくれるものが揃っているのだが、この店に通った結果分かったのは価格が安い方がおいしいということ。なので、安いものから試すのがお勧め。
2022年くらいまで「香雪」という最安の銘柄があって、これがものすごく濃くておいしかったのだけど、2023年10月現在店内で提供されなくなってしまった。小売はOKとのこと。店舗1階の北側に行くと、この「香雪」をペットボトルに入れて量り売りしてくれる。
<これもお勧め>
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<DATA>
上海市黄浦区学宮路36号
地下鉄8、10号線「老西門」駅7号出口から徒歩約8分
11:00-14:00 17:00-21:00
☆要予約。1階席を指定して予約するのがお勧め(ローカル風情たっぷり)。秋冬は上海蟹メニューも。
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(掲載日:2023年10月29日)
※メニュー内容、メニュー名、値段、店舗の外観や内装は掲載日の時点のものです。