【雑学】意外と身近な優性の法則
クセ毛とか耳たぶの形とか親指の反りとか富士額とか、みんな3:1の割合で生まれてくるんですよ。
遺伝とか優性の法則とか勉強だと思うととっつきにくいですが、実は身近な生活に現れてますよ、っていう話を書こうと思います。
最近では優劣という表現が良くないとかで、そのうち優性の法則とは言わなくなるかもしれないですね。
ヒトの遺伝
ヒトは哺乳類ですから、父親と母親の遺伝子を半分ずつ受け継ぎます。この半分ずつがややこしいんですよね。
簡略化して説明すると、哺乳類の遺伝子はそれぞれの形質(現れる特徴)の情報が対になっています。DNAの螺旋構造ですね。この対になった2つの情報から形質が決まります。
つまり両親ともそれぞれ2つの情報を持ち、その半分の情報を子に伝えます。その2つをセットにして子の対の情報となります。それぞれの親の情報が遺伝するけど、親の2つの情報のどちらが伝わるかは運次第ということになりますね。
優性の法則とは
遺伝情報は2つの情報からなることがわかりました。その情報に書かれている内容が、その形質を発現させるA、もしくは発現させないaだったとします。
2つセットでヒトの情報になるので、AA、Aa、aA、aaの4通りのパターンがあり得ます。実際には、AaとaAは区別がつかないので3通りになり、出現確率が、AA:Aa:aa=1:2:1になります。
このとき、AAはその形質を発現させるし、aaだとその形質は発現しないことが明白ですが、Aaのときどうなるかがポイントです。
実は、1組の遺伝情報で決まる形質はみんな3:1になる傾向があるため、AaはAAと同じくその形質を発現することがわかりました。これを優性の法則と言います。
優性の法則の特徴は3:1に形質が出現することが特徴だとわかりましたね、つまりヒトの身体的特徴には3:1になることがたくさんあるのです。
ちなみに3:1にならない形質もありますが、それはAとaのように2つの情報しかない場合ではなくもっと多くの情報(値)をとりうる場合や、複数の遺伝情報の組み合わせで形質が決まる場合です。
クセ毛の優性の法則
クセ毛は優性の法則が成り立ちます。クセ毛が発現するほうが優性なので世の中の3/4のヒトがクセ毛で1/4のヒトが直毛です。
また両親が直毛どうしだと子はみんな直毛になります。
耳たぶの優性の法則
耳たぶがはっきりとあるヒトと耳たぶが顔にくっついているヒトの出現確率は3:1だそうです。
1/4のヒトは福耳になるチャンスがないですね。
耳垢の優性の法則
耳垢に粘度があるほうが優性だそうです。人類の1/4は耳垢がサラサラだそうです。
サラサラのほうがいいなぁ。
親指の優性の法則
親指が外に曲がりやすい特徴は優性だそうです。
弟の親指が反ってるのはゲームのやりすぎだと思ってたけど、遺伝だったのか。
富士額の優性の法則
髪の毛の生え際が富士額のヒトと直線のヒトは3:1で存在するらしいです。
確かに富士額は多くてたまに直線のひとがいる印象はありますね。
性別の優性の法則
ここからちょっとパターンが変わります。性別の発現はオスが優性です。一般に性別ではAとaではなくYとXで表記するのでここでもそれに従います。
まずメスは劣性なので必ずXXの遺伝子対を持っていることになります。子はメスの遺伝子を片方受け継ぐので絶対にYYになることはありません。
つまり世の中にはXYの遺伝子対を持つ男性とXXの遺伝子対を持つ女性が1:1の割合で存在し、生まれて来る子供もXYの一方とXXの一方を受け継ぐので必ず1:1で発現することになります。
また発現の性質としてYが優性ではありますが、進化の過程では子孫を残すためにXの遺伝子が枯渇しないようになっているように見えることも多々あります。
血液型の優性の法則
最後に血液型です。これはみなさんご存知かと思いますが、それぞれの遺伝情報は3つの値をとりますね。AとBとOですね。AとBが同レベルに優性でOが劣性です。劣性なので本来0(ゼロ)だったはずなのですが読み間違いが普及してしまってO(オー)になってしまったんだとか。
A型のヒトは、AAかAO、B型のヒトはBBかBO、AB型のヒトはAB、O型のヒトはOOの遺伝情報を持っていることになります。
つまりO型の両親からはO型の子供しか生まれません。またAB型の両親からはO型は生まれません。
ちなみに血液型の特質は生まれてしばらくしないと発現しないこともあり、生まれた直後はO型ということもあるそうです。
遺伝の話は結構面白いので、今後も動植物の小ネタを紹介していきますね。
※タイトル画像はPixabayのArek Sochaさんの画像を使用させてもらいました。