【語源の話】#5 サカナ
魚とかいてサカナと読むのはけっこう新しいらしいですよ。こういうことを本来の意味と一緒に知っておくと面白いですよね。
泳いでるのはウオ
魚の本来の訓読みはウオ、音読みはギョ。水中を泳いでいる生き物を指す言葉です。オオカミウオとかトビウオとか魚の名前にはウオが使われますね。
つまり本来の意味では、泳いでいるのはサカナとは言わないということですね。
サカナってなんだ?
本来、サカナと読まれていたのは酒菜だそうです。菜というのは野菜のことではなく、おかずを指す言葉です。一汁一菜とかいいますよね。
ようは酒菜とは、お酒のつまみ(アテ)ですね。魚肉をよく食していたことから魚と書いてサカナと読むようになったようです。
つまり、生きているものではなく食べ物になった時点でサカナですね。
酒の肴とは
酒の肴(さけのさかな)っていいますよね。肴の字は中国伝来です。交(コウ)と月(にくづき)で成り立っており、肉を混ぜたものという意味になります。もともとは酒菜に肴の字を当てていたようです。
なんで刺身?
ついでに、切った生魚を刺身(さしみ)って言いますよね。切身(きりみ)ではなくて刺身である由来は2説あるようです。
ひとつは武家社会で「切る」は縁起の悪い言葉とされているため、刺身となった説です。ありそうですが、「刺す」は縁起悪くないんですかね。
もうひとつは、切ったサカナの種類がわかるように、盛り付けとして尾びれを刺していたという説です。確かにいまでも居酒屋で刺し盛りを頼むと、種類を書いた木の板みたいなものを刺してあるのを見たことがあります。
ということで、今回はサカナとサシミの語源の話でした。