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【語源の話】#2 完璧
完璧の「璧(へき)」って字は、「壁(かべ)」じゃないですよ、という話です。
こちらも中国の故事に由来します。「璧(へき)」とは、玉(ぎょく)、つまり宝石のことです。だから「璧」の下が「土」ではなく「玉」なんですね。宝石といっても指輪についているような純度の高いピカピカのものではなく、天然の水晶とか翡翠を磨いたもので、日本では勾玉(まがたま)のイメージですね。
史記に書かれている「和氏の璧(かしのへき)」という話があります。この話の前半は素晴らしい璧ができるまでの話になります。その宝石は趙の王さまのものになるのですが、強国である秦の王さまに「15城と交換してやるから和氏の璧を秦に持ってこい」と言われてしまいます。もちろん15城なんて口約束で怪しいものです。
ちなみにキングダムでおなじみの秦ですが、始皇帝の話よりも昔の話です。
そこで藺相如(りんそうじょ)という人物が秦の王さまとうまく立ち回り、璧を壊されることもなく持ち帰ることに成功しました。
これを「璧を完う(へきをまっとう)する」といい、完璧の由来となりました。つまり難しいことを一つのミスもなくやり遂げることですね。
「まっとうする」は通常「全うする」とも書きます。意味は「成し遂げる」ですね。一方で「完うする」は「欠けることなく」という意味合いのほうが強いですかね。どちらの意味でも取れると思います。
こういう話を知っていると漢字も間違わないですよね。