せたな泉郷

この社会の片隅で静かに生きている偏屈なひと。子供の頃からインターネットに触れてうん十年。いまだによくわからない。たまに行く登山と町散策が生き甲斐。

せたな泉郷

この社会の片隅で静かに生きている偏屈なひと。子供の頃からインターネットに触れてうん十年。いまだによくわからない。たまに行く登山と町散策が生き甲斐。

最近の記事

属性を置換すれば「多様性」?

 人種や職業、ジェンダーによる差別をなくそう、社会的弱者やマイノリティを差別や偏見から守ろう…それが大変素晴らしい考えというのは、理解出来る。それを目指して流布された「ポリティカルコレクトネス(以下ポリコレ)」という概念だが、おそらく大手を振って心から賛同している人は、残念ながら一部の「いかにもな人」を除いてそう多くはないだろう。考え自体は素晴らしいのだが…それを実現するために行われていることが、父権的で押し付けがましいのである。  2023年6月、映画「リトル・マーメイド

    • 北海道百年記念塔解体への想い〜消極的解体賛成の私

      解体決定の経緯 札幌市厚別区から江別市に至るあたり、森林公園の方向を見ると、いつもそこに雄大にそびえる褐色の巨塔があった。1968年、北海道開道100年を記念し施工されたこのモニュメントは、その後2023年現在に至るまでの間、森林公園周辺の土地を静かに見守っていた。遠い東区の豊平川からでも確認できるその巨塔は、まさしく北海道100年とこれからの未来を感じさせる堂々な佇まいだった。  そんな100年記念塔の解体が正式に決定したのは、2022年春頃だった。筆者は大学時代を江別で

      • 燃えたコオロギの複合的化学反応

        国家予算6兆円投入というデマ 日本において昆虫食は、全国的にポピュラーなものではないにしても、イナゴの佃煮やハチノコにあるよう、地方に根付く食文化としてはそう珍しいものではないだろう。そんな昆虫食が「SDGs」というものに内包されたあたりから、雲行きは怪しかったのかもしれない。 「日本国政府がコオロギの食糧化に国家予算6兆円を投入」 「昆虫食は補助金を出されゴリ押されている」 「政府は畜産を衰退させ、私たちにコオロギを食べさせようとしてる」  そんな言説がSNSに飛び交っ

        • だから私は「フェミニズム」を嫌う

          フェミニズムとの出会い フェミニズム、と言われて想像するものは何か…おそらく人によってポジティブ・ネガティブ様々なイメージ像が語られるだろう。 好意的な印象を語る人も決して少なくはないだろうが、2022年のSNSにおいてフェミニズムへの好意的意見はどちらかというとマイノリティであり、批判的な意見の方が多く目につく。新聞やテレビといったオールドメディアによるフェミニズム賛美や擁護肯定の多さに比べると、非常に対照的だろう。 私自身、正直フェミニズムは嫌いである。 誤解のない

          「Vtuberは女性蔑視」フェミニスト議連による抗議の一考察~分断と新陳代謝

          ありふれた、いつもの紛争…ではなかった2021年9月上旬。県警松戸署の交通安全啓発動画として起用されたVtuber「戸定梨香」(とじょう・りんか)に、いつものごとくフェミニストが噛みついた。曰く「体を動かす度に大きな胸が揺れる」「極端なミニスカートで、女子中高生だと印象付けて、性的対象物として強調している」ことが女性蔑視を喚起し、差別を生んでいるとのことである。千葉県警はこれを受けて啓発動画を削除、その後のコラボレーションも白紙となる。SNSの一部でも「公共の場に相応しくない

          「Vtuberは女性蔑視」フェミニスト議連による抗議の一考察~分断と新陳代謝

          2020年度年金運用GPIF最高運用益と、ゼロリスク信仰という病

          素人による、的外れなGPIF批判2020年の初頭に始まったコロナ禍は、私たちの普段の生活への影響もさることながら、経済や各種行政へも大きな影響を及ぼした。特に経済への影響は大きく、日経平均は一時16,800円まで落ち込み、一部ではリーマンショックやバブル崩壊の再来だ、という悲観的な論評が市井に大きく広がった。 私たちの年金を積立管理運用を行う独立行政法人GPIFは、2019年度の運用結果を-8.3兆円とした。2019年度は12月までの運用こそ比較的順調だったものの、コロナ禍

          2020年度年金運用GPIF最高運用益と、ゼロリスク信仰という病

          安い早い美味い…という幻想。ワクチン接種予約システムの報道に思うこと

          防疫と権力監視せめぎ合い2021年5月。新型コロナウイルスワクチンの予約システムをめぐり、架空の市区町村コードなどでも予約受付が完了してしまうという点が報道され、大きな議論を呼んでいる。接種体制に悪影響を及ぼすことを防ぐため、当該記事の引用はあえて行わないが、その記事では虚偽予約を行うための手法と手口が非常に丁寧かつ事細かにまとめられていた。 防衛相は朝日新聞社・毎日新聞社に対し「虚偽予約を喚起する悪質行為」と厳重注意。朝日新聞社・毎日新聞社は「虚偽予約はすでにキャンセルし

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          価値観のアップデートに潜むバグ

          アップデートの催促スパム「価値観のアップデート」という言葉を最近よく目にする。主にSNSやメディアにおいて、旧来的な思想や常識から脱却し、新しい価値観へ移行を礼賛する言葉としてよく用いられている。 個人的には、この言葉はあまり好きではない。職業柄、よくソフトウェアやサービスにアップデートを施すのだが、どんなに品質管理や精査を行おうと、何らかのバグが混入するという、苦い経験を重ねてきたからだ。 内容によっては、アップデートを全てオミットする事もあるし、ユーザーから「前のほう

          価値観のアップデートに潜むバグ

          マスコミとジャーナリズムへの失望

          どこかコロナ禍の日常に慣れ、気付けば年が明け2021年。ここに来て、ようやくワクチン摂取についての話がちらほらと聞かれるようになり、楽観こそ出来ないが僅かながら光明を感じられるようになってきた。 まだまだ市井に広く普及するまでには多くの時間を要するだろうし、諸般の問題は相変わらず多く存在する。それでも2020年の混沌とした空気に比べると、幾分か希望の持てる話が出てきたようにも感じる。 しかし、意図したものか否かはわからないが、マスコミによるワクチンの印象操作がここのところ

          マスコミとジャーナリズムへの失望

          主語によるコラテラルダメージ。SNSのいち所感

          ※本稿では、SNSを眺めていて思うことの一所感を書きます。  個人的主観によるもので、信憑性はありません。  事実と異なる点、間違い等あれば随時加筆修正予定です。 燃えたタイツと、いつもの紛糾  2020年11月初旬。ストッキング、タイツ、インナーウェアの老舗「ATSUGI」が炎上した。扇情的な「萌えイラスト」を用いてTwitterで大規模な広報活動を行ったところ、そのイラストに不快感と嫌悪を覚えた人が激怒し炎上。女性内でも賛否があり、またこれまで「萌えイラスト」については

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