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この絵はこの詩から生まれました ──詩の世界をアートに [第74回]


舟次丹陽駅 礒部晴樹・画


舟次丹陽駅       舟にて丹陽駅にやどる

沽酒来尋水駅門     酒をかわんとして 来たり尋ぬ 水駅の門
隣船灯火語黄昏     隣船の灯火 たそがれをつぐ
今朝始覚離郷遠     今朝 始めておぼゆ 郷を離るること遠きを
身在丹陽郭外村     身は丹陽郭外の村にあり

高啓

酒を買おうとして 水路の船宿の門をたずねたとき
隣の船の灯が たそがれを物語っていた
今になって はじめて くにから遠くまで来たと思った
この身は 丹陽の町の 壁の外の村にいるのだから


*高啓が、運河を船旅して南京へ行く途中の作だそうです。
日本でも今「道の駅」なんてありますが、
「水の駅」もいいですね。
酒を買おうとして、ふらりと舟をおりたときの詩でしょうか。

絵は、舟の灯火は少々描きにくいので、
家の明かりに代えています。
酒をバックに入れて、
ちょっと船旅なんてしてみたくなりました。





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