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この絵はこの詩から生まれました ──詩の世界をアートに [第48回]


夢みたものは… 礒部晴樹・画


夢みたものは…

夢みたものは ひとつの幸福
ねがったものは ひとつの愛
山なみのあちらにも しずかな村がある
明るい日曜日の 青い空がある

日傘をさした 田舎の娘らが
着かざって 唄をうたっている
大きなまるい輪をかいて
田舎の娘らが 踊りをおどっている

告げて うたっているのは
青い翼の一羽の小鳥
低い枝で うたっている

夢見たものは ひとつの愛
ねがったものは ひとつの幸福
それらはすべてここに ある と

立原道造


*立原道造は若くしてなくなった建築家、詩人です。
結核の療養で滞在した軽井沢の印象をモチーフにした
詩がいくつかあり、「のちのおもいに」という詩も
私の好きな詩です。


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