この絵はこの詩から生まれました ──詩の世界をアートに [第83回]
清明
清明時節雨粉粉 清明の時節 雨粉粉(ふんぷん)
路上行人欲断魂 路上の行人 魂を断たれんと欲っす
借問酒家何処有 借問(しゃもん)す 酒家は何処に有ると
牧童遥指杏花村 牧童 遥かに指さす 杏花村
杜牧
気持ち良い清明の時節というのに あいにくの雨ざんざん降り
春をさがして散歩にでた私は 魂も消えいらんばかり
通りがかりの牧童に 雨宿りの飲み屋はあるかとたずねると
遥かかなた 杏の花咲く村を指さした
*李白ほどではないとしても、杜牧も酒好きだったようです。
まあ、酒のきらいな詩人なんていないでしょうがね。
杜甫も白居易も高啓も、酒のはいった詩があります。
最近のユーチューブで、女子のひとりキャンプというのを見かけます。
若い女の子が、焚火で食事のあと、ひとりで、
小さい缶ビールや紙パック酒を、ちょこっとうまそうに飲むのを見ると、
微笑ましくて、思わず笑いだしてしまい、
こちらも急に飲みたくなります。
私も自転車であちこち、春を訪ねてぶらつきますが、
景色の良い場所で一息つくときは、
やはり紙パック酒ですね。
杜牧の名詩の感想、酒だけの話になってしまいました。