この絵はこの詩から生まれました ──詩の世界をアートに [第37回]
辛夷塢 しんいう
木末芙蓉花 木末の芙蓉花
山中発紅萼 山中 こうがくをはっす
澗戸寂無人 かんこ せきとして人なく
紛紛開且落 ふんぶんとして 開きかつ落つ
王維
こずえの はすの花のような木蓮が
山中に 紅いはなびらを開いた
谷川ぞいの家の戸口は ひっそりとして人のけはいもない
紅い花だけが ただ 咲きみだれ 散りみだれている
*木蓮の花は、いわゆるイタリアンレッドのような真っ赤
ではなく、赤紫のちょっと抑え気味の紅色です。
花が大きいので、満開の時はみごとです。
人がいてもいなくても、花は咲いて散っていきます。