私の絵は、詩の感動から生まれました
私の絵は、詩の感動から生まれました。
ラフマニノフのピアノ協奏曲がお好きな方は多いと思います。
憂いを帯びた甘美なメロディー、ロマンチックでやるせない音楽がゆったりと流れていきます。
十代の頃ころ、この曲に出会って大変しびれました。
この甘い曲のイメージをそっくり詩にしたかのような作品が、漢詩の「春江花月夜」(張若虚作)なのです。
近代のクラシックの名曲と、東洋の古典である漢詩が不思議にぴったりマッチしていました。
春のおぼろの河のたもと、
青い楓の樹と白い月、
ひとりたたずみ、水の向こうをながめている若い娘、
旅人は月光の中、家路をたどっている・・・・
詩は音楽とちがって、言葉で表現しているので、絵のイメージが浮かびやすく、インスピレーションの種となりました。
絵のタイトルは、なんとなく詩のイメージからつけています。
ところで私の絵は、
縦、横の直線で画かれていると思った方おられるでしょう。
そうなんです。図面のように定規で画いています。
私は機械科出身で、製図の授業が大好きでした。
またずっと工業デザイナーとして生きてきましたので、
建築家同様仕事の最後は図面制作となるのです。
そのため図面のような絵になってしまいました。
「図面の中に詩心を入れたら・・・・」
というコンセプトで日々絵を制作しています。
ご興味をもっていただけましたら幸いです。