なぜDXには、スキルとマインドの両輪が必要か
どのパターンの料理を食べたい?
常々、私が関わるDXでは、スキルとマインドの両輪が必要であることをといている。
たとえば、こんなことを考えてみてほしい。
優れた包丁をもっていて、食事をする人のことを考えて料理ができる人
優れた包丁をもっているが、料理を作る方法を知らない人
優れた包丁を持っているが、自分の好きなように料理をする人
普通の包丁ではあるが、食事をする人のことを考えて料理ができる人
包丁は持っていないが、食事をする人のことを考えて、優れた包丁を持っている人に料理の指導ができる人
この中で、あなたが食べたい料理を作れそうなのは誰だろうか。
スキルについて考えてみる
スキルは、武器や道具と置き換えてもいいかもしれない。それ単体で出来ることは限られているが、覚えていないと使うことはできない。色々な場面に対処するために、スキルを身につけるというのは非常に優れた効果を出すだろう。
しかし、スキルをつけることは、何気なく○○の導入、○○の使い方を覚えることがデジタル化であったり、DXの推進と思われがちだが、どこで活用するかどう活かしていくかという気持ちがなければ、現場の抵抗や反発を食らってまでやり続けることは難しい。
たとえば、エクセルひとつとってもよいが、簡単な分析やデータの管理はエクセルがあればできる。
しかし、課題を解決したい、業務の根幹から直したいというマインドがなければ、「何のデータを用意したら分析ができるのでしょうか」「データが集まれば何かわからないかな」「どんな分析をしたらいいのかわかりません」と目標がないためになってしまう。これは、RPAであろうとAIであろうと同じことで、そのツールや仕組みを学んだところで、「何をしたいか」がなければスキルはスキルのまま終わってしまうのである。
マインドについて考えてみる
変化しようというマインドは、行動や活動を推進する第一歩となるのである。
マインドが育っていれば、もちろんスキルを覚えようという気も起きたりするし、自分では難しい分野であれば、そのスキルを持った人を仲間に入れてチームとしてプロジェクトを推進することもできる。行動しようという熱意のないところに、変化は起こらないのである。
マインドについては、もう一つの意味がある。変えていこうというマインドは、それを実現する手段をいくつも検討することができるだろう。BPRの方が適していればBPR、AIしか使えない場所であればAI、DXがふさわしければDX、色々と比較し検討することができる。だが、AIというスキルしかない場合はどうだろうか。AIにのみ縛られて他のことは検討できなくなるだろう。
昨今のICT技術の進歩は激しいのは私が書くまでもないが、それを鑑みたときに、最新スキルを全て身につけて選ぶということは不可能に近い、そうした中で考える場合、まずは変化に対応できるマインドと、複数違う物を検討する(それに詳しい人に確認することも含めて)マインドが必要となるだろう。
マインドチェンジするとは、変化を誘発することであり、熱量から事を起こしていくことでもある。
スキルはその手段であって、アウトプットする前のプロセスなのである。
スキルとマインドは両輪
スキルとマインドは両輪である、そのため、この二つを同時に鍛える(同一人物である必要はない)ことは行動変容を伴う自治体DXには必要になってくると話しているのはそのためである。
行動変容は、マインド→スキルの結果のアウトプットとしてあらわれるのだ。
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