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なぜEUは、石炭火力発電を廃止したがるのか?

2035年までに石炭火力発電を廃止?

G7が2030~35年に石炭火力発電を原則として廃止する方針で合意したらしい。

”原則として”廃止、、、
これまた、えらく含みをもつ表現だ・・

”原則として”の文言を入れたところに、日本のお役人さんの努力をあとを感じる。


日本の電力の3割は石炭火力で発電されているから、石炭火力発電所をすべて閉鎖するためには、日本の電力消費量を3割減らさないといけない。

あと、ざっくり10年で。


10年で石炭火力全廃とか、そんな条件飲めるかぼけぇ!
と、日本国としてはいいたかっただろう。


日本は10年で石炭火力発電を全廃できるか?

まず、日本の消費エネルギーは右肩下がりに低下する。

日本はこのまま経済が衰退し、貧しい人が増加する形で、貧富の格差が広がるだろう。
確実に消費エネルギー量は減少する。

・日本の未婚率は右肩上がりに上昇
・未婚の中年男女が、前向きに希望をもって労働に取り組むのは難しい現実


これらの点を考慮すると、日本の経済は、絶対に衰退する。
間違いない。

問題は、経済の衰退にともなって、どれくらいエネルギー消費量が減少するかだ。

石炭火力発電は、発電量の3割を占めている。
だから、単純に電力消費量が3割減れば、不要になった石炭火力発電所を閉鎖するだけでよい。

参考になるのが、ソ連(ロシア)のエネルギー消費量の推移だ。

ソ連崩壊でロシア(ソ連)のエネルギー消費量は、230から140(100万石油換算Ton)に4割低下している。

https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2022/html/2-2-1.html


たったの4割・・・・・

国が崩壊したソ連ですら、国が崩壊するレベルであっても、たったの4割しか消費エネルギーは減らない。

定性的に、経済が衰退すると、エネルギー消費量も低下する。

だが、さすがに現実的に10年で3割のエネルギー削減は難しいだろう。

結論:2035年までに石炭火力発電を全廃するのは無理!

楽園計画支持者の僕でも、さすがに無茶が過ぎると感じる。

たしかに、2030年に日本が崩壊するシナリオを考えてみたものの、現実問題、それを当てにして外国と約束するのは、バカな話である。


世界を支配するエリート層は、このまま人類全体の消費エネルギーが増加し続けたら、人類の高度な文明が持続可能性を失うことをわかってる。

だから、エリート層としては、何がなんでも人類全体のエネルギー消費量を削減しなければならない。

この人類の持続可能性を確保する計画がSDGsであり、楽園計画と僕が呼んでいるものだ。

実際に、人類の化石燃料の使用に伴って、大気中のCO2濃度はめちゃくちゃ上がってる。
(そんで、地球もあったかくなってる。夏の暑さはやばいよな)

https://www.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/tour/tour_a3.html


そうはいっても、ソ連崩壊に近いレベルの生活水準切り下げなんて、現実的とは思えない。

2035年までに石炭火力発電を全廃するのは無理だ。


EUが石炭火力発電の廃止に熱心な理由


それは、
シンプルに石炭を使ってないからである。
石炭火力発電の廃止で、ダメージを受けないのだ。

下のグラフは、2022年の主要国の発電エネルギー構成である。

黒が石炭だ。

日本と韓国とドイツが3割
(あれ、ドイツ、、きみ、環境先進国だったんじゃ・・??)
インド7割、中国6割

フランス、イギリス、イタリアは、1割以下

そう、EUの主要国の石炭火力発電の割合は1割以下だ
(ドイツを除く)

https://earthene.com/media/156

自分たちが、使ってないから石炭廃止!
と言ってるに過ぎない。

なお、G7とは、日本、アメリカ、カナダ、ドイツ、イタリア、イギリス、フランスだから、日本が一番石炭火力発電の割合が多い。

日本が一番、石炭火力発電の廃止に反対するのは、当然のことだ。

上のグラフから、ヨーロッパの連中が、SDGsに熱心な理由も読み取れる。
グラフでは、ヨーロッパに緑色が多い。

要するに、ヨーロッパでは再生可能エネルギー発電の割合が多いのである。

偏西風が安定して吹いていて、風力発電に向いた土地が多かったり、水力発電に適した川がたくさんあるからだ。

だから、世界中が化石燃料を禁止すれば、自分たちだけが経済発展を続けることができると考えている。

EUのみなさん、我々は再生可能エネルギーが豊富な地域に住んでいます。
地球のために、EU以外の世界でも化石燃料を禁止させましょう。
そうしたら、EUが競争力をもつことができて、EUが相対的に豊かになりますですぜ!

だから、環境活動を頑張っていきましょう!


環境活動を頑張ることが、自分達の利益になる。
そういうふうに、ヨーロッパの中間層に ”錯覚させること” が、目的だ。


そう、錯覚させること、である。

ヨーロッパの再生可能エネルギーを支える風車や水車が何でできているか?
太陽電池パネルの架台が何でできているか?

鉄である。


https://honkawa2.sakura.ne.jp/5500.html

鉄のほとんどは、中国が生産しているのである。

中国で、石炭を大量に燃やして!

ヨーロッパの再生可能エネルギーを支える、風車と水車を支えるのは、中国で燃やされる石炭なのである。

2022年の主要国の一次エネルギー構成は以下であり、
一番上の中国は、石炭の割合が55%とダントツで多い。
(あ、インドも55%でタイトップ)

https://www.ene100.jp/zumen/1-1-8


石炭を燃やしまくりの中国製の鉄を大量に使った、ダーティな再生可能エネルギーを使っておいて、なに偉そうにいってんだ?

と日本政府のお役人は思っているはずだ。

だが、EUのエリート層にとっては、そんなことはどうでもよい。

EUの中間層を没落させて、中間層の人口を減らして、移民を入れて分断して、中間層を駆逐して、そうして、人類全体の資源消費量を抑えることが目的なのだから。

中間層には、自ら、貧乏になる道を選んでもらわなくてはならないのだ。

自分達だけが抜け駆けしようとそそのかされて、その行動が自分の首をしめるという、甘い罠である。

実際に、EUの中間層は、格差拡大に苦しみ、移民に苦しみ、高齢化に苦しんでいる(はずだ)


楽園計画を応援するメディア

とまれ、ヨーロッパの中間層に対しては、自分たちだけ抜け駆けしようぜ!
という説得材料がある。

地球のために、ほかの国々に脱炭素を強制して、自分たちは相対的に豊かになる計略に、ヨーロッパの中間層を巻き込むことができる。

さて、日本国ではどうか?


ネットで無料で検索できる範囲で、調べてみたところ、大手では朝日新聞さんが、最も熱心に石炭火力発電の廃止を後押ししている。
(ほかのメディアさんは、淡々と事実の述べるにとどまる感じである。)


朝日新聞さんの論調を確認すると、
G7で孤立する危険!
との文字がある。

結局、外圧頼みかぁ。。。

海外はもっと進んでいるから、日本もやらねばならぬ理論か。。。

それはそれで、なんというか、もうちょっとよい言い訳を考えてほしいものだ。

まとめ


G7の環境大臣会議で、2035年までに石炭火力発電を原則として廃止すことが決まった。

だが、この目標は日本には達成不可能だ。


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