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日本からは、逃げられない!

先行き厳しい日本国

日本の社会保障費用は、140兆円だ。

この中には、現役世代や将来世代向けの医療保険なども混ざっている。だが、医療費が一番かかるのは、高齢者である。

そのほとんど、ざっくり 100兆円、GDPの20%が高齢者福祉に使用されている。

インフルエンサーのひろゆき氏などは、高齢者福祉にかける費用は、現役世代や将来世代むけの福祉費用とは、意味合いが違うと主張している。

現役世代への給付は、単純に”労働力の修理”の側面があるし、将来世代への給付は、”将来の労働力の整備”という意味で、役に立つ投資であるといえる。要するに、カネをかけても、将来の税収という形でカネが戻ってくる見込みがある。

それに対して、高齢者福祉については、高齢者が将来カネを稼いで税金を納めることはないから、将来 役に立つ”投資”ではなく”浪費”に相当する。

このような”浪費” を続ける日本は、客観的にみて衰退する未来しかない、と。


社会保障制度を開始したのは、第一次世界大戦前のドイツ帝国だ。
当時のドイツ帝国は、フランス、ロシアと対立しており、大規模な戦争をする予定があった。社会保障制度は、国民が兵隊として戦場にいき、血を流す前提において導入された制度だ。

国民が戦争でバタバタ死ぬ前提で、社会保障制度は作られた。したがって、戦争がなくなった21世紀において社会保障制度は時代おくれになっている。


日本国は憲法で、すべての国民に健康で文化的な生活を営む権利を保障している。最低限の医療を、すべての国民に提供することを約束しているのだ。

本当に、すべての国民が医療にアクセスできるようになっている。実際に僕が聞いた話でも、生活保護者に陥ったおじさんが、末期がんの治療をちゃんと寿命が尽きるまで受けていた。

すべての人が医療へアクセスできる日本は、すばらしい国だ。

だが、この医療を維持する費用は空気から生じるわけじゃない。すべての勤労世帯が支払う社会保険料と、将来世帯へ回されるツケ(国債)によりまかなわれている。

日本の国民負担率は、当然ながら上昇しており、人口構成から、今後も上がることは明白だ。

↓増加する国民負担率

https://data.wingarc.com/national-burden-rate-63921  より


勤労世代は、もはや、老人たちを食わせていくために働いているといっても過言ではない。
これから負担が増加する一方の若者たちが、日本の現状に嫌気がさして、日本を脱出し、海外で暮らしたいと考えても無理ないことだ。

生まれる国は選べないが、海外移住する先は自分で自由に選ぶことができる。(日本と対立する北朝鮮など一部の国は渡航が困難だが、北朝鮮に行きたい人は、そう多くないだろう)
特に、人口構成がまともで、社会保険料が少なく、ついでに税金も少なければ、すばらしい。


だが、帰国子女など特別な人を除いて、日本で生まれ育って義務教育を受けた、標準的な日本人には、”呪い”がかかっている。

それは、”日本語の呪い”である。



日本語のカベ

一般的に、日本国内で生活する日本人にとって、日本語のカベはプラスに作用する。

・低賃金の労働者が、簡単に入ってこれない。
・外国企業が、日本に参入する障壁になる。

日本語のカベは、見えない関税バリアとして存在しており、日本人の雇用を守る働きをしてきた。

だが、日本からの脱出を試みる日本人にとっても、日本語のカベは大きな障壁になってしまう。

その一方、日本からの人材流出を防ぐカベとして、日本に残る日本人を守る作用がある。



英語が苦手な日本人

なぜ日本人が英語が苦手なのかというと、日本語の言語構造が英語と大きく異なるからだ。

言語には、近い言語や遠い言語が存在する。例えば、英語やドイツ語は、同じゲルマン系の言語であり、似たような表現が出てくる。

英語の Nightは、 ドイツ語の Nacht などのように、英語にとってドイツ語は、方言みたいなものである。


下の図は、世界で最も普及している、インド・ヨーロッパ 語族の系統図である。

https://pressbooks.ulib.csuohio.edu/religionsofmiddleeast1/chapter/linguistic-groups/  より


インド・ヨーロッパ語族は、すべて共通の祖先言語(ヒッタイト語)から枝分かれしている。

 ラテン語系の言語:フランス語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語
 ゲルマン系の言語:英語、ドイツ語、オランダ語
 イラン系の言語:ペルシア語、パシュトゥン語、クルド語
 インド・アーリアン系の言語:ヒンディー語、ベンガル語、マラーティー語

地図にすると、下の図のようになる。
中国と東南アジアを除いて、だいたいがインド・ヨーロッパ語族である。

https://www.kansaigaidai.ac.jp/news/detail/?id=614


このオレンジ色の地域に住む人たち、ヨーロッパ人やインド人は、英語と同じ祖先をもつ言語が母国語だから、とにかく英語を学習しやすい。

人口の多い、インド、ブラジル、バングラディッシュ、そしてヨーロッパ諸国は、みなインド・ヨーロッパ語族が母国語だ。

日本人が海外で働こうとした場合、オレンジ色の地域出身者との競争で、著しく不利になる。

日本語は、どの言語グループに属するのだろうか?

同じグループの言語であれば、学習しやすいはずだ。日本語と同じグループ言語を話す国に移民すればよい。

だが、残念なことに、日本語と同じ言語グループに属する国は存在しない。
Wikipedia でも、日本語は孤立した言語  とされ、その系統については定説はないと、明記されている。


つまり、日本語を母国語とする日本人たちは、外国語を習得する難易度が、他の外国人たちと比較して、高いということになる。

日本人なら、小学校、中学校、高校、大学と、10年以上も英語を勉強してきたはずだ。しかも、英語はかなり力をいれて教育されている。授業のコマ数だってほかの科目より多かった。

それでも、英語は話せない。

これは、海外(特に、インド・ヨーロッパ系の言語話者が英語を学習する場合)では考えられないことだろう。


ちなみに、日本語が孤立語であることから、英語以外の言語習得も難しい。

いずれにせよ、事実上の世界標準語が英語なので、英語が苦手な日本人は海外へ移住するハードルが高いのだ。


出稼ぎ失敗事例

オーストラリアの最低賃金は、時給2500円だ。

高額な時給につられて、若者を中心にオーストラリアへの出稼ぎが流行している。ワーキングホリデービザを簡単に取得できることも、オーストラリアへの出稼ぎが流行する理由だ。

ところが、最近ニュースで、ワーホリで出稼ぎにいったものの仕事がなく困窮した若者が増加している、と報道されるようになった。

仕事がない理由は、「英語がしゃべれない」かららしい。

それもそうだ。

仕事をするうえで、コミュニケーションは必須である。
日本語がしゃべれず、英語もしゃべれない新入社員がいたら、仕事の戦力になるはずがない。

とはいえ、英語を話せる日本人は希少種だ。
(日本人の9割以上は、中学、高校で少なくとも6年間は、英語を勉強したはずなのだが・・)

ということは、ほとんどの日本人が、海外で働くうえで困難を抱えるということになる。



海外、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなど時給の高い先進諸国において、英語に対して適性がない日本人の価値は、英語を最初から話せるインド人より低い。

海外で働く場合、日本人は、英語への適性がある、ヨーロッパ地方出身者や、イラン人、ブラジル人、アルゼンチン人、ロシア人などと比較して、不利になる。


まとめ


日本で生まれ育ち、日本で義務教育を受けた日本人には、日本語の呪いがかかる。

自分だけ、日本を見捨てて海外に逃げようとしても、日本語のデバフからは逃げられない!

自分とその一族だけ助かろうなど、普通の日本人には不可能だ!

沈むときはみんな一緒だよ☆


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