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書評:縮んで勝つ 人口減少日本の活路


「未来の年表」で有名な、河合雅司の本 「縮んで勝つ 人口減少日本の活路」を読んだ。


感想は、
「予想通り、日本はオワコン」
である。

知ってはいたが、日本国は、厳しい。

特に問題なのは、厳しさが、世代間により分かれるということだ。

若者は、海外移住を選択できる。

だが、氷河期世代は、非常に厳しい。
まちがいなく氷河期世代が、一番ビンボーくじを引かされている。

ここまで、日本が没落するとは、さすがにちょっと予想できなかった。


だが、いいニュースもある。
日本は、まだ経常収支が黒字であることだ。日本には、今までの貿易黒字で蓄積した莫大な対外資産があり、貿易赤字を海外からの配当金で補っている状態だ。
さらに、貿易赤字が大きくなり、経常収支が赤字になると、対外資産がどんどん減少していき、最終的にはすっからかんになる。だが、日本は、まだ対外資産の大幅な切り売りする段階に入っていない。

つまり、日本には、まだ時間が残されているということだ。


第3部 人口減少日本の活路


本書は3部構成になっており、1部では人口減少のヤバさを、2部では人口減少により、日本がいかにオワコン化するのかを、3部では、人口減少に対してどのように対策したらよいか、が書かれている。

第3部の提言が、著者が本当に主張したかったことだろう。

だが、3部の提言「戦略的に縮む」ことは、絵に描いた餅であり、絶対に実現しない。

戦略的に縮むというのは、国民をなるべく都市に集合させて効率のよい街をつくるという考えである。いわゆるコンパクトシティ構想だ。

ところが、日本国憲法の第22条には「居住・移転および職業選択の自由」が明記されている。戦略的に縮むためには、まず憲法改正をしないといけない。
あるいは、クーデターを起こして憲法を停止させないといけない。
(事実上、新国家の建設)

はたして現実的だろうか?

人を強制的に移動させるのは難しい。
成田空港のど真ん中にすら、民家があって、強制立ち退きすら実行できないこの国において、そんなことできるだろうか?
(絶対できない)

いくら静かな有事といってみたところで、本当の有事ではないのだ。

日本国憲法改正 or 自衛隊によるクーデター

どちらもありえないだろう。


第3章の提言は、たしかにどれも一定の合理性があるのだが、その実行するために必要な ”力” がない。

提言すべてが、いわば理想論であり、関係者の抵抗を無視している。人間にいままでと違う動きを強制しようとすれば、カネか暴力、特に”暴力”を背景にした強制力が必要になる。

この種の提案をする、社会学者やジャーナリストはたくさん存在するが、だれも”カネ”、”暴力”、などの強制力に言及しない。
カネと暴力を使わなければ、現実を変えることはできないというのに。

(ロシアのプーチン大統領が、ロシア改革を実行できたのは、KGBを背景にした暴力を持っていたからだ。暴力の強制力なしに改革が実行できた例は存在しない。)

21世紀の日本国において、独裁者は存在していないので、自由に国を動せる存在はいない。

日本国においては、かつてGHQが何でもできる存在だった。(GHQ=アメリカ軍 日本占領部隊 なので、彼らは、圧倒的な ”暴力” を保持していた)GHQが去ってからは、誰も日本国を支配することができず、日本国は、成り行き任せに、流れ、流されていくままであった。

ということで、第3部の日本復活の提案については、カネと暴力の裏づけがないため、非現実的だと感じた。

第1部と第2部については、日本国のオワコンぶりが記載されており、この点は参考になる。


文系 連中のクセ
おそらく、社会科学を大学で専攻すると、問題の提起と、解決策の提案をセットで行うように求められるのだろう。

例えば、少子化を課題として取り上げるのであれば、その少子化をなんとかするための政策を提案して、セットで論文を書かなければ、先生に小言を言われるのだ。
確かに、なんの解決策もないまま、問題を投げっぱなしにするというのは、よろしくない。代案もなく、問題だ、問題だ! と騒ぐだけであれば、学者の存在意義がないというのも、その通りだろう。

だがしかし、何にでも対策を提言するという姿勢が、ちょっと行き過ぎているのだ。

むかし、酒鬼薔薇聖斗事件(神戸連続児童殺傷事件)があった。14歳の少年が小学生を何人も殺害するという凶悪事件だった。
この事件をうけて、神戸市の中学2年生は、トライやる・ウィークという職場体験ツアーをやるようになった。

・・・・なんでやねん!

少年が凶悪事件を起こしたら、その対策で、インターンシップやるというのは、なんというか・・・
どうしてこうなった?という感じである。

凶悪事件が発生した。
なにか対策をしなければならない。
そや、インターンシップをしよう!

この、なんでもいいからやれ! やらんといけん! という姿勢は、非合理で非効率だ。


第1部 100年で日本人8割減 ~移民たちは日本を嫌いにならないか?


第1部は、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の統計は甘すぎる!というお話だ。

人口は、年金の計算のもとになっている推計値よりもっと減る。
(つまり、年金はあてにならないということだ。)

移民について
人口推計では、外国人移民が大量増加することになっているが、日本が出せる賃金は年々低下していくので、今後も外国人たちは来てくれるのか、疑問があるとのこと。

また、2090年には、日本人の勤労世代(20~64歳)が現在の1/5 程度となり、社会の勤労世代は外国人が圧倒的シェアをもつ。日本人がマイノリティーになれば、公用語は日本語だけでなくなる可能性が大きい。

以下感想

円安と国内産業の衰退で、外国人労働者が来てくれなくなるのは、その通りだろう。日本語のカベがあるし。
むしろ、安いニッポンに見切りをつけて海外に働きに出る日本人が増えるだろう。この海外に働きに出る日本人というのは、若い場合が多いから、ただでさえ貴重な若者を海外に取られるということになる。日本国政府としては、許容できないだろう。

したがって、数十年後の日本では、今のように、気軽に海外にいけなくなっている可能性が高い。
出国審査がきびしくなるだろう。
そのまま国外に流出しないかどうか? を厳しく審査されるわけだ。

そして、21世紀の終わりには、65歳以下の人口において日本人と外国人の数が逆転する。日本語がマイナー言語になるということだ。

英語・日本語・ベトナム語・ヒンディー語・中国語など、多言語国家になり、日本では存在しなかった民族問題が発生する。

ベトナム語が使える地域、中国語がメジャーな地域、ヒンディー語しか通じない地域など、日本の風景が変わりそうだ。

数十年後にタイムスリップしたら、ここはホントに日本か?
という風景が見れるだろう。

もう一つの懸念点は、日本に来た外国人が日本嫌いになる可能性だ。
いやいや、日本が好きだから日本に来たんだろう?
と思われるかもしれない。

だが、日本の国力は減少傾向だ。給与も、日本企業の衰退と円安で、ダブルで少なくなる。

日本に来る外国人労働者たちは、当然、高い給料がもらえると考えて日本に来たはずだ。日本で働けば稼げると思って、日本語という難易度世界一のマイナー言語を、カネと時間をかけて勉強して、日本に来てくれたのだ。

その外国人労働者たちに、満足な給料を支払えないとなると、日本国は、彼らの期待を裏切ったことになる。

もちろん、そんなのただの逆恨みだと切り捨てることは可能だ。

だが、日本に来た外国人労働者たちは、日本語を勉強するために少なくない投資をしている。このサンクコストゆえに、他の国に移住することもできずに、日本国内で不満をため続けることになる。

そうなると、、、当然、そのヘイトは日本人に向かってくる。
日本人嫌いの外国人が、日本国内で大量発生していても、まったく驚くに値しない。そうなると、高齢になって弱くなった日本人が外国人に狩られるという光景が現実のものとなる。

夜に出歩かないのは当然として、日本人が入ってはならない外国人居住区といった地域が増加するだろう。

日本の治安は、間違いなく悪化するだろう。


第2部 日本崩壊の様子


第2部では、身の回りの小さな変化から予想される未来が具体的に記載されている。

第2部から学ぶべきことは、以下の2点である。

A. 今後の株式投資において、やめておいた方がよい分野
 インフラ事業者への投資
 労働集約型産業への投資

B. 住む場所は、都会がよい。

A-1. インフラ事業者への投資はやめたほうがよい

地方のローカル鉄道は、利用者が減って赤字が深刻になる。鉄道会社は、きわめて公共性が高い。赤字だからといって簡単に撤退できない。

JRを含めて、株式会社は利益を追求する民間会社なのだから、とっとと不採算路線を廃止すべきだ。だが、現実的には、そう簡単に鉄道路線の廃止などはできない。

自治体や沿線住民が大反対するからだ。人間という生き物は、一度できた既得権益は絶対に手放さない。

一度、手に入れた利権・便利さ、すでにある鉄道路線を失うことに対するストレスは、鉄道路線がまったく存在しない場合と比べて、めちゃくちゃ大きく感じる。

既得権益を守るためには、人間なんだってする。それこそ、鉄道会社の従業員を半ば脅迫するような、法律的にブラックに近い手段をつかってでも既得権益を守ろうとするだろう。
鉄道が手を引きたがる地域では、反対者が物理的にまとまっているため、結集しやすい。さらに、反対者が団結すれば、議員を通じて政治的な圧力をかけることもできる。

JRや鉄道会社の従業員は、お役所的な会社員であり、どちらかといえば、失敗しないことを重要視される。間違いなく、地元とトラブルを起こしてでも赤字を減らすより、赤字を垂れ流す現状を維持してでもトラブルをおこさない人間のほうが評価されるだろう。

結局のところ、JRや鉄道会社は、簡単に赤字路線を廃止できずに、今後数十年にわたって、地方路線が赤字を垂れ流すはめになる。

JRを含めてインフラ系の会社は、すべての地域で撤退に反対する住民の対策にコストをかけなければならない。つまり、インフラ系の会社の収益は常にデバフがかかった状態になる。

伝説的な投資家、ウォーレンバフェットは、インフラ系の会社への投資を推奨している。だが、アメリカは建国以来、常に発展しているが、日本はアメリカと違って急速な衰退途上に存在する。

日本でインフラ会社に投資するのは、お勧めできない。これから、日本のインフラ系企業は、JRのように負の遺産をたくさん抱え込む。

つまり、以下のような会社である。
・電力会社(田舎の送電網の維持、メンテナンスコストが足を引っ張る)
・ガス会社(電気と比べればずいぶんましだが、ガス管の維持にコストがかかる)
・鉄道会社(不採算路線の維持)
・バス会社(不採算路線の維持)
・日本郵政(ユニバーサル・サービスの維持に、赤字を垂れ流し続ける)
・物流会社(特に、コンシューマー向けは需要増加するだろうが、不採算地域への配達はキツくなる。鉄道会社ほどではないが、インフラと化している大手物流は足を引っ張られる可能性がある)


A-2. 労働集約型産業は、人手不足時代を生き残れない


路線バスも、廃止や減便が増加する。

既に、大都市近郊でもバスが事業として成り立たなくなってきている。その理由は、バス運転手の不足である。

少子高齢化でなり手となる労働者が減少した。さらに、バス運転手は、労働時間が長く、所得が低い。バス事業は、コストの大分部が人件費であるため、ビジネス的に人余りのデフレ時代じゃないとやっていけなかった。

つまるところ、路線バス事業は、人手不足になったら、たちまち立ち行かなくなるビジネスだった。

当然ながら、おなじ理屈がすべての労働集約型産業にいえる。

つまり、
 ・バス
 ・運輸
 ・土木工事
 ・外食産業
 ・小売業全般
 ・介護・医療・保育
などが厳しくなるということだ。


運輸に関しては、サービスレベルの低下が起こるだろう。

2023年時点で、運送会社の倒産が急増している。倒産の原因は、人手不足だ。さらに、運送事業者の9割が中小企業で、大手にくらべ価格転嫁できない。

少子化に伴い、トラック運転手の人数は先細り。
一方で、消費者は高齢化するため、宅配ニーズが増加する。

宅配において、需要と供給に大きなねじれが存在する。その結果、荷物を運んでもらえない、つまり、サービスを購入できない事態が発生するだろう。

それでも、運輸会社は、需要に応じて無理やり供給を増やそうとするだろうから、荷物が届かないとか、遅れるとか、荷物が消えるとかの、品質低下が発生するだろう。



B. 住む場所は、都会がよい。

地方ほど生活費が高くつく。

サービスを提供する側としては、消費者が近くにかたまっているほうが効率よくサービスを提供することができる。

地方では、人口が希薄に分散しており、サービス提供の効率が悪くなるから、生活費が高くつくのは当たり前である。

今まで、地方のサービス提供科価格が安かったのは、地方では就職先がなく労働力が余っていたからだ。だが、地方から若年労働者が消失したことで、この構造は終焉をむかえた。


水道料金
地方では、老朽化した水道設備の更新費用増により、水道料金がすでに上昇している。今後、人口減少によりさらなる値上げが起きる。利用者が減少したとしても、水道を運営する費用が減るわけではないからだ。

本来は、人口減少による利用者不足で、水道は維持できなくなるはずだ。だが、水道は絶対に必要な類のインフラである。現実的には、政治の介入などにより、水道は維持せざるを得ないだろう。

地方においては水道料金は限界ギリギリまで上がるだろう。そして水道事業者(自治体)は、だらだらと赤字を垂れ流しながら、老朽化した設備を、だましだまし運転することになる。
その結果、断水や水道水の品質低下が発生し、海外のように水道の水が飲めなくなる。

水道・電気・ガスなどの公共サービスは、利用者の先細りが確実だ。事業者は、長期にわたって経営体力が削られる。電気・ガス・水道・熱供給などのインフラ事業系の未来は暗そうだ。


今後も、都会への人口集中は進む。

A.  地方では、学校がどんどん減る。
B.  そうすると、都会に子供だけを送り出す親が増加する。
C.  若者は戻ってこないため、地方の過疎化はガンガン進む


日本国は、オワコンになる。
だが、日本国内がすべて同時にオワコンになるわけではない。
地方が早くオワコンになり、都会はオワコンになるのが遅い。

住むなら都会である。


意外:パイロット不足

エアラインではパイロット不足が発生している。特に、LCCでは機長の1/4を60代が占めており、パイロットの高齢化が進んでいる。

どうやら、ナショナル・フラッグ・キャリア JAL の経営が傾いて、パイロットを育成してこなかったツケが、今頃まわってきているようだ。

外国人パイロットの採用に力を入れるも、海外との人材の取り合いでは、円安もあり、けっこう厳しい。整備士も人手不足。

パイロット・整備士・空港業務従業員のすべてが不足しているとのこと。

パイロットが大量退職をはじめる2030年には、縮小や撤退をせざるを得ない航空路線がでてくる。鉄道・路線バスに加えて空路も減便と廃止が広がる。地方の空港は稼働率が低下し、開店休業となり、赤字を垂れ流す。

正直、パイロットの不足は、盲点だった。
航空業界は、華やかで人気のありそうに思えたため、意外だ。


デッドロック! マンションの老朽化問題

日本には、空き家が900万戸もある。末代独身者が増え、これから空き家が増加する。

都会にたくさん建設された老朽化マンションは、建て替えと大規模修繕が困難だ。その理由は、高齢住民が増加するからだ。

将来のため、必要な修繕といわれても、高齢住民の立場としてはあと何年も生きないのに、なんでカネ出さなきゃなんねーんだ?となる。

マンション空き家が、一戸建と比較して、より深刻な理由
・孤独死で隣の住民が迷惑
・相続した所有者が不明となり、管理費を払う人が不在。この場合、代わりに管理費を負担するのは近隣住民
・動ける若者は引っ越しをして、若者たちで固まるので、マンションの高齢化が加速し、マンション間の格差が拡大する。

空き家が増えて、管理費や修繕積立金の支払いが滞るようになれば、資金計画に狂いが生じる。

無理やり建て替えを進めれば、マンション建て替えのタイミングで、賃貸の場合は家賃が上昇し、高齢者が路上に流出することになる。

このような環境において、マンション投資は最悪だ。


核家族化の末路 買い物難民

地方や都市の郊外では、70代後半~80代になると自動車が使えなくなり、買い物難民になる。3世代同居であれば、子供世代が買い物に行ってくれたが、頼める家族がいなくなれば、買い物難民になってしまう。

公共交通機関の縮小も、買い物難民を生み出す要因になる。悠々自適の老後は、食料品をめぐるサバイバル戦になる。これが、人口減少社会のリアルだ。

各地で小売業が淘汰される。労働集約型の小売業は人手不足により、利益が圧迫されるからだ。

年齢に関係なく遠方まで買い物にいく必要がある。買い物弱者が増える。大型ショッピングセンターやAmazonが、商店街ダメージを与えた結果、小売業は淘汰される。

人口密度の低い地方では、食料がスムーズに届かないという事態が発生する。


びっくり! 経済産業省の予想

この本を読んで知ったのだが、経済産業省が参考資料とはいえ、「社会の安定性すら失われる可能性」に言及していたことを知った。
(URL Link先の 資料の6ページ目)

これまでの考え方・やり方では、これまでどおり当面社会は安定するが、実質賃金・ GDPの成長は横ばいにと どまり、新興国に追いつかれ、海外と比べて「豊かではない」状況に。社会の安定性すら失われる可能性

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shin_kijiku/pdf/021_03_00.pdf

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shin_kijiku/pdf/021_03_00.pdf

経済産業省が、このままだったら、当面は安定するけど、社会の安定性が失われますよと警告してくれている。

この本の著者や、経済産業省が指摘する通り、このまま「現状維持」を続けると、この国は終わってしまう。
社会の安定性が失われる、つまり、基礎的なインフラや治安が維持できなくなり、失敗国家、ジンバブエとかベネズエラとかシリアとか、そんな国の仲間入りの可能性すらあるということだ。
そんな馬鹿な!と思われるかもしれないが、増え続ける大量の移民たちは必ず民族問題を引き起こすから、未来の日本は、我々が想像する日本国とはずいぶん姿がかわるはずだ。


このまま「現状維持」にこだわり続けたならば、この国は終わってしまう。

河合雅司. 縮んで勝つ ~人口減少日本の活路~(小学館新書) (p.155). 株式会社小学館. Kindle 版.

著者や経済産業省が指摘するように、このまま「現状維持」にこだわれば、日本は終わってしまう。
それでも、間違いなく、日本人は現状維持にこだわり続ける。

① 人間、よっぽど追いつめられないと、慣れたルーティンを壊したくない
② 人間、年をとると保守的になる。変化をきらうようになる。残念ながら、日本の過半数は45歳以上だ。つまり、民主主義を維持する限り、日本は現状維持にこだわる。
③ 人間、目先の損失を可能な限り避けようとする。痛みを伴う改革は、強制力がないとやらない。つまり、やらないということだ。


まとめ


移民

円安と日本国内の産業衰退により、日本に来てくれた外国人労働者は、期待を裏切られる。だが、日本語は世界一難解であり、日本語習得にかかったサンクコストを考慮すれば、安易に日本以外の国へ転出もできない。

期待を裏切られた移民たちは、日本国の不安定要因となるだろう。

株式投資

インフラ系の企業、労働集約型産業への株式投資は、やめておいたほうがよい

インフラ系事業は、事業撤退が難しいからだ。既得権益を失う人間は、全身全霊で抵抗するから、簡単には撤退できない。人口減少により赤字化した地方からの撤退は困難で、結局のところインフラ企業の収益を引っ張り続けることになるからだ。

労働集約型産業は、労働力不足の影響をモロに受けるからだ。そもそも、デフレの安い賃金を前提に事業を構築してきた企業が多く、慢性的な労働力不足から、労働集約型産業は、事業維持すらおぼつかなくなる。


まだ時間はあるが、行きつくところは・・・

著者の意見:このまま「現状維持」にこだわり続けたならば、この国は終わってしまう。
経済産業省の意見:これまでの考え方・やり方では、当面社会は安定するが、新興国に追いつかれ、海外と比べて「豊かではない」状況に。社会の安定性すら失われる可能性。

これまでのやり方は変えず、現状維持にこだわる。
これは、間違いなくそうだ。

つまり、”変わらない” という前提において、短くすると
著者の意見:この国は終わる。
経済産業省の意見:社会の安定性すら失われる。
ということになる。

日本は、終わる。

だがしかし、まだ時間はある。


結論


若い人は、まず海外での仕事を目指すべきだ!
(選択肢は、外国に住むだけじゃない。海外駐在や留学などを含めて海外との接点を確保すべき。)

すでに高齢者になっている人たちは、逃げ切れることを喜ぶべきだ。

やっかいなのは、中年、氷河期世代だ。
新しい行動をするには、年を取りすぎている。
だが、逃げ切れるほど年をとっていない。
だが、たとえ氷河期世代であっても、動ける人は、海外を目指すべきだ。

氷河期世代が、何をやればよいか、どこに行けばよいかなどは、これから考えてNoteにまとめてみたい。




日本に来てしまった外国人労働者の方々。
すいませんでした!


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