社会が安楽死を認めない理由
結論:
安楽死なんて認めたら、中年独身男性たちがバタバタ死んで、社会が回らなくなるやろ!
懲役18年 ~ALS嘱託殺人事件
医師である2名が、SNSで知り合ったALSの女性を、協力して安楽死させる事件があった。
懲役18年の判決が出ていた。
いやいやいや、
いただき女子、りりちゃんの2倍ですか・・・
そうですか・・・
嘱託殺人、本人が安楽死を望んでいたんですよね。
それをちょっとお手伝いしただけですよね。
たしかに、医師というプロが安楽死に手を貸したことを考慮したら悪質性が高いといえるかもしれません。
それにしたって、懲役18年は、ちょっと重くないですか?
なんでこんなに、安楽死に対して厳しいんだこの国は・・・?
いや、日本だけじゃない。
外国では、安楽死できるといっても、かなりハードルが高く、だれでも安価にカジュアルに利用できる制度とは言えない。
不治の病であること、一方で精神疾患がなく精神的には健康であることなど、いろいろと制限がある。
(不治の病かつ、精神的に健康って、それはそれで結構なレアケースなのでは?)
すべての国、すべての社会が安楽死を認めていない。
なぜだろうか?
安楽死を望む人たちの数(推算)
日本の自殺者数は2万人程度である。
これは自殺を遂げた人であって、自殺未遂を入れたら、10倍くらいいるんじゃないか?
と思ってググってみたら、自殺未遂の経験者数は1年間で53万人もいるらしい。
めちゃくちゃ多い・・・・
(鳥取県の人口と同じくらいだ)
そりゃ、そうだ。
あの、東条英機さんも、自殺未遂をしているのだ。
プロの軍人だった人ですら、死にきれなったのだ。
一般人が、そう簡単に自殺できてたまるか!
自殺未遂を経験した人は、年間53万人である。
ということは、自殺未遂までに至らなかった人、自殺を真剣に考えるだけ考えて、何も行動しなかった人がたくさんいるだろう。
そんな、頭の中だけで自殺を考えている人は、ざっくり未遂者の10倍いると考えて、年間530万人である。
(ハインリッヒの法則の倍数を使うと30倍の1590万人になる・・・)
さて、年間530万人というこの数字
もし仮に、カジュアルに安楽死ができる環境が整っていたら?
安楽死制度が承認され、毎年500万人が、人生ツラいといって死んでいったとしたら?
日本の人口は、10年で、5000万人減る?
いやいやいや、さすがにあり得ない。
実際には、死にたい人はさっさと死んでしまうから、再び死ぬことはないわけで、直線的に安楽死の数が増加するなんてことはない。
毎年、右肩下がりに安楽死する人数は減るだろう。
とりあえず、安楽死に応募する人数は毎年毎年、漸減すると仮定してみる。
下グラフの感じで、前年の7割減が続くと仮定する。
一方で、安楽死応募者数は、ゼロにはならないだろうから、長期的に30万人で安定するとした。
これを合計すると30年で2500万人になる。
そもそも、初年の500万人が多い。
多すぎる!
福岡県や兵庫県に相当する人口が消えるって、無茶苦茶である。
(500万人は、鳥取県の10倍の人口に相当。)
とはいえ、僕も安楽死がカジュアルにできる社会だったら、何回も死んでるだろう。
社会の下位25%は、たいがい不可視化されている。
(例えば、人口の1%を占める統合失調症の人に会ったこと、ありますか?
たぶん、あまりないんじゃないかな。)
だから、上のグラフは、そんなにおかしな結果じゃないだろう。
上のグラフのように、安楽死が解禁されたら、日本の人口のうち1/4くらいはいなくなってしまう。
安楽死をカジュアルに解禁なんてしたら、
取引先の担当者がいきなりいなくなったり、
仕事をやってた先輩が突然いなくなったり、
上司が突然いなくなったりして、
社会は大混乱する。
国として、安楽死んて認めるわけにはいかないだろう。
人生がツラいのはキミだけじゃない
インフルエンサーのすもも氏が作成したというグラフ。
日本の未婚男性は世界一不幸であることがわかる。
日本の安楽死予備軍の年間500万人が存在しているとしたら、その割合は未婚男性に偏っているだろう。
日本の未婚男性なんて、ほとんどもれなく安楽死予備軍じゃないか!
(20代とか、未婚/既婚の分化が進んでない年代は除くとして・・・)
日本の独身中年男性は、たいがい不幸で、たいがい安楽死予備軍だといえそうだ。
弱者男性消えろ論の見落とし
結婚できない弱者男性なんて、安楽死させたらええんや!
とかいう意見が、過激派フェミニストさんから出てきていそうだ。
結婚できない独身中年男性なんて、大して年収も稼いでないのだから、いなくなったところで、社会に大した影響などないだろうと・・・
実はそんなこと、まったくないのである。
下のグラフは、既婚・未婚男女の平均所得をグラフにしたものである。
所得が多い順番は
既婚男性>未婚男性>未婚女性>既婚女性
となっている。
未婚男性の年収(すなわち支払う税金)は、未婚女性よりも既婚女性よりも多いのである。
税収面からいって、既婚はもちろん、未婚男性だっていなくなってもらったら大いに困るのである。
(むしろ、収支を悪化させてるのは女性・・・)
日本の社会保障給付は140兆円である。
未婚男性の寿命の中央値は、67歳である。
未婚男性は、社会保障を使う暇もなく、すぐ死ぬ。
一方で、女性と既婚男性は80歳くらいまで生きる。
この平均寿命の差を考えると、日本の社会保障は、女性と既婚男性のために使われる場合がほとんどだろう。
だから、独身中年男性というのは、国にとって、納める税金は多いわりに、支払う社会保障費は少ないという、理想的な国民(奴隷?)であるといえる。
逆に、既婚女性と未婚女性は、納める税金は少ないわりに、支払う社会保障費は多いという、金食い虫であるといえる。
いまの日本国は、男性から搾取して女性のために使う、女性のための国家であるといえる。
人生がツラい独身中年男性が死ぬと、搾取する奴隷がいなくなるから、国家運営に支障が出てくるのだ。
だから、人生がツラい独身中年男性が、物理的にいなくなってしまうような安楽死の解禁は絶対にできない。
高齢者のみを選択した安楽死解禁は可能か?
例えば、75歳以上の人にだけ安楽死する権利を与えるような制度を設けた場合、高齢者がいなくなり、介護費用・社会保障費が削減できる・・・となるだろうか?
実際には、難しいだろう。
そもそも、75歳以上であるということは、既婚男性か、未婚女性か、既婚女性である可能性が高い。
特に女性はメンタルが強い。
(自殺率も低い)
75歳を超えて、安楽死できますよ!
となった場合でも、ここまで順調に生きてきた人が、安楽死したいと思うだろうか?
主に安楽死したいのは、虐げられた世界一不幸な独身中年男性層だろう。
問題は、安楽死が解禁されたとして、独身中年男性が75歳まで我慢するかどうかである。
75歳で安楽死させてくれるのか・・・・
先は長いな・・・
・・・じゃあ、自分らでやっちゃうか!
となる可能性がある。
国がひとたび安楽死を認めると、一番安楽死してほしくない層、
税金だけ支払って、社会保障給付を支払う前に死んでくれる中年独身男性層が、勝手に安楽死を自分たちでやりだす可能性がある。
やはり、安楽死の解禁は、副作用を考慮すると非常に難しいだろう。
”老後の不安”を糧に成長する金融業界
安楽死の解禁を、絶対やってほしくない業界がある。
金融界隈だ。
”老後の資金”を確保するために、投資や貯金を推奨している業界だ。
安楽死の解禁なんてされれば、将来への不安が解消されてしまって、投資や貯蓄に急ブレーキがかかってしまう。
(消費は刺激されて、一時的に景気はよくなるだろう)
老後2000万円問題が示すように、老後の備えは国民が懸念するNo.1事項である。
多くの人たちが、老後のために、人生を費やすといっても過言ではない。
老後の不安に依存する金融業界関係の人たちにとっても、安楽死の解禁など冗談ではないだろう。
まとめ
自殺未遂者数から推測すると、ざっくり2500万人くらいが人生がツラいと考えている安楽死予備軍である。
国民の1/4がパタパタといなくなったら、社会の運用上支障が出る。
だから、安楽死制度を解禁することはできない。
安楽死制度が普及していないことこそが、苦しみながら人生を生きている人がたくさんいる証拠だ。
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