怖い話⑧『社長案件』
Netflix「地面師たち」ご覧になった方も多いともいます。
ドラマにはまり、「地面師たち」関連の書籍も読んでみました。
ドラマの原作: 地面師たち
※ 小説の内容も衝撃的でしたが、ドラマの方がさらに過激になっていることが判りました。
地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団
ドラマ「地面師たち」の詐欺案件が、実際に起こった事件を元にしているとは、思いもよりませんでした。
積水ハウスだけではなく、他にも名だたる企業が騙されていたとは。。。
保身 積水ハウス、クーデターの深層
積水ハウスの地面師事件後の話です。
少しネタバレになります。
”地面師事件の責任を社長に迫った会長が、逆に社長に追い出される”
「地面師たち」の斜め上を行く衝撃的な内容でした。
実際に、こんなことが起こっていたとは?
驚くばかりです。
地面師事件の調査委員会によると、
「地面師事件は、取引から撤退するチャンスが九回はあった」
あったそうです。
九回も失敗しているとは。
これだけミスを繰り返すことは、普通ではあり得ないことです。
しかし、これがサラリーマン社会になると。。。
自身のサラリーマン時代をよくよく振り返ってみると。。。
似たようなことがありました。。
社長案件
どうもよく失敗するのは、
「社長案件」
これです。
サラリーマンは、経営トップの命令には、なかなか逆らえません。
直属の上司の場合は、なんとか説得することができます。
社長案件 = 会社の方針
となると、関与すらできません。
お手上げです。
とにかく全社あげて、特急で取り組むことになります。
通常のチェックポイントもすっ飛ばす。
最後に奈落の底へ突き落されることになります。
実情が判っている現場の意見が聞き入れられることはありません。
悲しいところです。
自身が体験した社長案件
巨額投資 その1
会長・社長の出身事業部であったため、パネル事業に巨額資金を投資。
約10年後、撤退。
巨額の内部留保金を全て失いました。
資金は、海外投資家が出資。
海外投資家の意向で、経営が進むことになります。
新社長も年2回、海外投資家に経営状況の説明に行くようになりました。
多くの社員は、リストラ。
会社の社風もすっかり変わってしまいました。
以降、業績は低迷したままです。
巨額投資 その2
家電部門トップが、中国を訪問。
訪問先の共産党幹部から、新工場の建設を依頼されました。
既に別の場所に工場があったにもかかわらず、工場を新設。
どういう訳か、通常の6倍の投資額。
採算が合うはずがありません。
中国メーカーに値段で負け始め・・・
3年後、工場閉鎖。
30年かけて蓄えた資金の2倍の額を失い、大赤字。
実質倒産。
別の事業部に面倒を見てもらう羽目に。。。
社長プロジェクト
研究所が立ち上げた「社長プロジェクト」: 遠隔操作 (携帯で、家電製品が動かせる機能)
※ このような機能は、約10年ごとにブームになります。
最近話題のAIも、なんと第4次AIブームです。
「勝手に動くと、危険な場合もあるのでは?」と担当者に伝えた方がいたようです。
回答: 「社長プロジェクトだから」
回答になっていないところが、何とも言えません。
役所の方からも事前に何度か警告を受けていたようです。
しばらくすると、政府の製品安全の委員会で「安全性は大丈夫か?」という話になりました。
安全性を証明するまで、しばらく市場に出せないことになりました。
かなりの開発費用と時間をかけたプロジェクトも、市場ではあまり受け入れられませんでした。
社長案件の功罪
良い点
とにかく、出世を望む人にはいいことしかありません。
*予算・人材を使い放題。
*プロジェクトリーダーは昇進できる。
*失敗しても、責任を負う必要がない。
悪い点
関係のない社員には、災難です。
*プロジェクトはだいたい失敗する。
*会社の業績が悪くなる。
*待遇面が、ますます悪くなっていく。
客観視
組織の外から見ている人にすれば、「何であんな馬鹿なことをしているのだろうか?」と判るのに、当事者には、まったく理解できていないことがよくあります。
AIに自分を客観視する方法を聞いてみました
自分を観察する、行動を記録する
ボイスレコーダーやビデオ録画
日記を書く
他人からのフィードバックを受ける
信頼できる友人や家族に尋ねる
セルフインタビュー
自問自答
定期的な自己反省
一日の終わりに振り返る:
クリティカルシンキング
状況を冷静に分析する
※ 上記の項目、何も出来ていません。客観視できていると思い込んでいる自分が、情けない。
参考
1)検索
検索には、GensparkとPerplexityを使いました。
2)デジタルな振る舞い株式会社
AIの勉強にお薦めです。