
あなたは改宗できるのか?/『怠惰なんて存在しない』ご恵投いただきました
最近の書籍のトレンドを見ると、一つの大きな傾向がわかる。
それは、「頑張らなくていい」「無理するな」的な本だ。表紙にはユルいネコのイラストなんかが描かれれば完璧だ。
こういったいわゆる脱力系のは間違いなく需要がある。
みんなどこかで休みたいと思っているが、休むことに対する罪悪感がある。
そんな中で、第三者からちゃんと「あなたは十分頑張っている。休んでいいのだよ」と言ってもらいたい欲求があるのだ。
その脱力系の領域に、ユルさが微塵も感じられないストイックなお顔立ちの本が登場した。
『怠惰なんて存在しない』というタイトルの本だ。
これは、社会学者が書いた真面目な脱力系の本だ。
本書では、怠惰に関して3つの「ウソ」が指摘される。
1. 人の価値は生産性で測られる。
2. 自分で限界だと思っても、信じるな。
3. もっとできることはあるはずだ。
確かに僕の内面にもこの価値観が浸透している。というか、小さな頃からこれを信じて生きてきたと言っても過言ではない。
だから、多くのアウトプットを出してきた人はすごいと思うし、限界の先に見える世界があると信じている。
努力は美徳だ。
だから、この概念を「ウソ」と言い切るのは正直難しい。
しかし、これを多くの人が信じているからこそ、職場の中でバーンアウトや精神疾患などが起きてしまうのも事実だ。
とても難しい。
改宗を迫られている気分にすらなる。
この本を読み終えた時、僕の行動は何か変わるのだろうか?
僕は自分の怠惰さを許せるのだろうか?
ちょっとこの世界を覗いてみたくなった。