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浦幌の空気を吸って、「問いの不感症」から抜け出そう
十勝にある浦幌町で開催しているリーダー教育プログラム「うらほろアカデメイア」の第2期が無事終了した。
テストセッション(0期と呼んでいる)を含めると、既に3回実施したことになるが、毎回季節も異なり、メンバーも異なるため、違う学びが立ち現れてくるのが面白い。
たとえば、今回のキーワードを僕なりに定義するならば、「観察」だったように思う。観察という言葉が飛び交い、そして偶然にいろいろな場面でその言葉同士がつながっていった場になった。
その辺は、Voicyでも語ったので、聴いてほしい。
しかし、毎回異なるキーワードが注目されるが、決して変わらないことがある。それは、うらほろアカデメイアは、「問いの探究の場」であるということだ。
僕は長らく人材育成の現場に携わっているが、そこで問題意識として感じているのは、問いに対する「不感症」の人が多いことにある。
つまり、何に対しても問いが立たない。そして問いが育っていかない。
全てのことが「なるほど、そうなんですか」「面白いですね」で終わってしまう。
「問いを立てよう」と言っても、そもそも問いを立てるってどういうことなんですか?という話になってしまう。
そんな人たちに、かなりの確率で遭遇する。
理由はシンプルだ。
みんな忙しすぎるのだ。
つまり、他人が立てた問いに対して、答えを出すことに忙しい。
売上をいくらにせよ…。いつまでにこれだけの集客をせよ…。
こうして、「問いは上の人が立てるもの、答えは自分が出すもの」という構図に慣れきっていく。
だから、「あなたはどんな問いを探究していますか?」という質問をすると、面食らってしまうのだ。
組織内で、この状況を放置するとどうなるか?その危険性はわかるだろう。
他者から何かを言われない限り動けない人が生まれ、そして、顧客から何かの注文を受けない限り動けない企業が生まれる。
そんな「問いの不感症」の集団から、新たなビジネスが生まれることはまずない。
では個人として、「問いの不感症」から脱却するにはどうしたら良いのか?
その答えもシンプルだ。
忙しい職場から強制的に離れること
上下関係のない人間関係の場に身を置くこと
矛盾を目の当たりにすること
みんなでゆっくり語り合う機会を作ること
忙しすぎて「問いの不感症」になっている人たちには、こういうわかりやすい「異空間」が必要だ。
この「異空間」に身を置けば、自ずと身の回りには不思議なことや矛盾に溢れていることに気づき、そこから自分が探究したい問いが生まれ、そしてその問いが徐々に「良い問い」へと育まれていく。
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うらほろアカデメイアは、このような「探究すべき問いを発見し、その問いを育む異空間」を目指している。
遠目に見れば素晴らしい牧場でも、ここにはたくさんの矛盾に包まれている。
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見渡す限り一面の小麦畑は、短期施策と長期施策の矛盾を内包している。
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しかし、それらの矛盾は、慌ただしい都会にいてはすぐに流れてしまうようなか弱き矛盾だ。
それを皆んなで問いとして設定し、車座になり対話をしながらその問いを育んでいく。それは、本来人間が持っている「不思議に思う力」を再生していくプロセスと言えよう。
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もちろん、この場で解消できる問いなんて、何一つない。
しかし、だからこそ意味がある。
その場で解消できるようなクイックな問いではダメなのだ。
抱え続けるしかない大きな問いに真剣に向き合い、真摯に語り始める時、初めて僕たちは「問いの不感症」から抜け出すことができる。
さて、みんなはどうだろうか?
自分がワクワクする問いを定めているか?それとも「問いって何ですか?」という状況だろうか?
もし自分が、もしくは周囲の人が「問いの不感症」に陥っていると感じたら、十勝浦幌町に想いを馳せてみてほしい。
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