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恐怖は人をアホにする


ちょっと前のnoteで、僕が若き日に出会ったハラスメント気質溢れたメンターとの馴れ初めを書いた。これはその続編だ。

再びメンター(Aさん)との記憶を再び遡ってみたいと思う。
当時、僕は恐怖という感情に支配されていた。この人から見離されたら、裏側で何を言われるかわからない。だから怒られるようなことをしたくない。
そんな感情でいっぱいだった。

突然訪れた板挟み

行動の基準は自ずと「Aさんに怒られないかどうか」ということが最優先になる。視野はAさんだけしか入らない。
つまり、大事な「顧客」ですら視野の外になるのだ。
もちろん、Aさんに評価されることが、顧客にも喜ばれることとイコールであれば大きな問題ではない。実際にそこはほぼ重なっていたので安心してAさんだけを見続けることができた。しかし、時としてそれがズレる。それが悲劇を生む。

たとえば、数年付き合っていたクライアントから、「Aさんには大変お世話になったが、可能であればちょっと違う強みのあるプロフェッショナルに関わって欲しい」という依頼が僕に来た。それは「Aさんを外して欲しい」というオーダーでもあった。
Aさんはとても賢く経験も豊富なので、経営課題をすぐに特定することができる。そして、経営者の懐に入るのもうまい。だからこそ評価されるわけだが、数年経つとその評価も変わってくる。端的に言うと、態度が鼻につき始めるのだ。

たとえば、クライアントの社長について
「御社の社長と先日話したんですけどね、ちょっと気が弱そうで、サラリーマン気質ですよね。あまり大胆な提案は受け入れられないんじゃないかな」
みたいな評価をクライアントの前で言ったりする。
そこには、「俺は社長も握っているんだぞ」というニュアンスが多分に含まれていることは言うまでもない。
しかし、その横柄な態度は、静かにクライアントの反発を招く。

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