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重量挙げ・中国の強さの秘密
重量挙げが強い国と聞くと、中国、ロシア、イランが想像できるだろう。
今回は中国について。
なぜ中国が強いのか、はっきりとした理由があるので2つ、書いていく。
1. そもそもの筋肉量と筋力
筋肉量は見た目に出ているので秘密でもないが彼らの身体の筋肉は凄まじい。
彼らは中国で最も有名で人気な選手である。写真の通り、凄まじい筋肉である。
重量挙げ選手は全員ゴリゴリのイメージがあるが、実は細い選手も多いのが事実なので、それを前提として見てほしい。
日本人選手と比較してみる。
実はこの2人は当時69kg級でどちらも同じ体重である。
近内選手(上の写真)は日本のトップリフターであり、彼も素晴らしい肉体を誇るが、中国人選手とは差がある。
中国人選手のトレーニングは種目(スナッチ、クリーン&ジャーク)以外に、ボディービルディング的トレーニング、筋トレもかなりの量をこなしている。
特に腹筋は体幹の強さを作るため、かなりの強度、頻度で行っている。
これは身体に表れている。
次に筋力。
彼はバックスクワット320kgをぶち上げる化け物である。
スクワットとデッドリフトは重量挙げにおいて、動作に直結する基礎筋力であり、中国人選手はこれを高頻度で行うので、背中と脚がかなり強い。
言ってしまえば、中国人選手の強さの大元はそもそもの筋肉量と筋力である。
2. 動作の技術
ここで言う技術とは挙上動作において、いかに動作に無駄がなく、バーベルの軌道が垂直に近いことであると定義する。
この線は、挙上動作においてバーベルの軌道を描いたものである。
3人とも中国人選手であり、軌道もほぼ垂直である。
では、実際のフォームについて具体的に説明する。
ファーストプル局面
スナッチで見ていく。
まず開始姿勢。
1.肩はバーベルより前
2.胸を開く
3.重心は足の裏の中心だが、ややつま先より
(つま先3割中心7割)
4.脚の強さで引く。
背筋は張ったまま。中国人コーチは背中のアーチを特に指導している。
姿勢を保ち、地面を押すイメージで引いていく。お尻は出来るだけ浮かさない。
この選手は分かりやすく重心が前にある。
セカンドプルに移行する前にかかとが浮いている。これは極端な例であり、別にかかとを浮かす必要はない。
ただ、意外とここでかかとが浮く中国人選手は多い。
セカンドプル局面
1.バーベルと脚の距離はゼロ。擦れるくらい。
2.膝は伸ばし切る。
3.シュラッグ動作を行う。(肩をすくめる)
1に関して、まず中国人選手はニードライブ(膝の入り)が速い。膝が抜けた直後、ぐわんと入り込むイメージである。なので、バーベルが身体から離れることがない。
3に関して、シュラッグ動作を意識するだけで、バーベルは約5〜10cm高く上がってくる。ここが一番重要。
サードプル 最終局面
1.高く上がったバーベルを引きつけながら潜り込む。
2.キャッチは背中で受け止めるイメージ。若干、肩の柔軟性が必要。
この局面は意識的に行うのが困難なため、セカンドプルで試技の成功、失敗が決まると思って良い。
まとめ
一応、載せるが日本人選手と中国人選手の動作の違いである。↑
まとめると、
ファーストプルはセカンドプルへ繋げるためにあるので、速度は必要なく、丁寧に引いていく。
セカンドプルはスピードが重要。一気に加速し、膝を伸ばし切る。
クリーン&ジャークのうち、クリーンも同様のことが言える。
説明した技術を習得するにはやはりかなりの練習量が必要である。
中国人選手の練習量は半端じゃない。
1日2回、週6日で練習を行っているのだ。
中国人選手の強さの秘密は洗練されたテクニックと強い筋肉、練習量の多さである。
以上。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
参考文献
https://shenzhen-weightlifting.com/
画像引用元
https://m.youtube.com/user/allthingsgym