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私が出会った底辺経営者の話①飲食店経営者A

『底辺』と『経営者』

相容れないと思われているだろう単語の組み合わせだが
底辺経営者はかなり多い。

最近目の当たりにしたとある経営者Aの失敗の軌跡を書いてみる。


カフェオープン

去年の秋、近所にカフェができた。
白を基調とした内装で、おっさんは入りにくい感じである。

私はアレルギーがいくつかあって、
普通の食事を外食するのは避けている

でもスイーツはだけは
私のアレルゲンを一切使用しないジャンルで
いつでもどこでも安心して注文できる。

お、外食できる場所が増えた。

と興味を持った。

店の前にメニュー看板をだしたり
夜に煌々と電気がついていたりし始めたので、
開店を心待ちにしていたのだが
何日観察しても既にオープンしてるのかどうかがわからない。

中に人がいる時があるが
それがお客なのかスタッフだけなのかもわからない。

1ヶ月ほど経ってようやく
○月○日オープン
という掲示が出たので行ってみた。

初代女性スタッフ(店長)の退職

店内には経営者Aと女性スタッフ。
経営者Aは30ぐらいの男性。
女性は店長で、しばらくは二人で切り盛りするという。

店長は気さくでかわいくて、
ジャニーズ好きという共通点もあり
楽しい時間を過ごした。

この時の経営者Aの態度に違和感を覚えた。
私たちの会話に入ろうとして失敗し
何度も話の腰を折るのである。

SnowManのふっかの話をしている私たちの会話に
ふっかを知らない経営者Aが入りたいなら
聞き役になるしかないと思うのだが
彼は話を聞くのが下手なのだ。

いや、聞くのが下手というよりも
自分の話を聞いてほしくてたまらない
または
自分の知らない話をされるのが不快
という感じ。

盛り上がる私たちに
僕の知らない話はもう終わって僕をかまってよ
と言わんばかりのちゃちゃを入れてきた。

それから、店長がいる時を狙って
月に三回ぐらいのペースで通うようになった。
店長がいないときは素通り。

店長と話したくて行ってるのに
いつも経営者Aが話の腰を折る。

彼がいない日はなかったので、
なんだこいつ、と思っていた。

あまりにも話したそうなので話題を譲ってみたが、
これっぽっちも面白くない。
店のコンセプトやら、自分の理想を語られてもねぇ。

開店して3ヶ月ほど経った頃、店長を見かけなくなった。
どうしたのかと聞くと、辞めてしまったという。
辞めたというか、
家庭の事情でしばらく来れないと連絡があったきり
そのまま音信不通になったという。

それが事実かどうか確認するすべがないので
その時は、あらちょっと無責任ね、と思った。

その後用事で出かけたとき、たまたまその女性を見かけた。
とても幸せそうに歩いていた。
その笑顔を見たとき、
「あ、オーナーが嫌で辞めたんだわ」
と直感した。

この直感に根拠はなかったんだけど
この後のその店の状況をみて直感は正しいだろうと思った。

カフェスタッフ連鎖退職

店長以外にも従業員がいたのだが、3ヶ月ほどで全員辞めてしまった。
毎月1人ずつ辞めていく。
行くたびに退職の挨拶をされる状態。

お客さんはついてきていてどんどん忙しくなっていっていた。
軌道に乗るとはこういうことか、という時期なのに、
聞く限り緊急性のない理由で辞めていくスタッフ。
この時期を待っていたのに人手不足で開けられないのは困る。
Aは睡眠時間を削ってワンオペで切り盛りしながら、
従業員を募集していた。

人が続かない

2ヶ月経ってもワンオペで、
ある夜行くとオーナーの妹が出動していた。
妹は新幹線の距離に住んでいる。
そんな遠方から呼び出すとは…。

妹さんによるとずっとワンオペだったわけではなく
募集して入ってもすぐ辞めていっていたのだという。

Aはお客がはけて話す暇ができるや否や
聞いてもいないのに辞めた子の話をし始めた。

うちの月給って会社の規模から考えたら
結構頑張ってそこそこ出してるんで
僕は結構求めるんです。
早く月給に見合った動きをしてもらいたいんで、
初日からダメだししたら辞めちゃってね~。
そこはちゃんと合意して入ってもらったんですけど
いやぁ失敗しちゃいました(人選びを)。

はい?

エースの退職

その後、全ての女性スタッフが退職し、
そのカフェは完全ワンオペになった。
オーナーはもう1店舗(通称:本店)経営しているので
毎日営業できないからと
週に何日か営業することになった。

その翌月に本店を任せていたスタッフが退職した。
カフェに来る時間が捻出できなくなり。
ついにカフェは一時閉店となった。

一時閉店したのに、
店の前には営業時と変わらず
メニュー看板やPOPがそのままになっていた。
そこに一時閉店した旨を書いたポスターも貼っている。
週に何日か営業することにしたときの営業日カレンダーもそのまま。
いろんな情報をごちゃごちゃ掲示している上、
時々夜に電気を煌々とつけていたりする。
やってるのかやってないのかがわからない。

その後
本店のポスター
従業員募集のポスター
新メニューの案内
などなど、続々と増える。
カフェの入り口は広告看板のようになっていった。

一時閉店して2ヶ月後、
また新しいポスターを貼りだした。

深夜にだけ営業する と書いている。
またメニューを掲示。
これで掲示してあるメニューは3種類目となる。
だが、肝心の開店時間が書かれていない。

営業時間と定休日を覚えてもらうのは
商売の基本であり第一歩である。
人が集まる大元であり、従業員もお客さんもついてくる。
いつやってるかわからないところに
興味を持ち続けるお客さんはいないし、
働きたいと思う者はいない。

そして先日ついに【完全閉店】した。

完全閉店

完全閉店する少し前に、久しぶりにAを見かけたので声をかけたが
苦笑いしてスルーされた。

あれれ~?
昔あんなに構ってほしそうだったのにどうしたの?(煽り)

飲食の経営コンサルやりたいって言ってたけど流行りそう?

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