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社交辞令と礼儀

たまに、色っぽい、と言われる。

もっと遠慮のない表現をすると
「顔がエロい」
らしいです。

もっと遠慮なく、
したい (直球)
と言われることがありまして、
女としての価値だと思っていた。
そんな時代がありました。

もてるでしょう?
と言われて
褒められたと喜んでいた。
そんな時代がありました。

恥ずかしい。

自分が社交辞令を使わないから
他人が社交辞令で言ってるという発想がなかった。

思ったことを遠慮なく言って生きていたから
他人もそうなのだと思ってた。

言われたことを真に受けて
猪突猛進するのが常でした。

思ったことを思いついた言葉で言って
人に距離を置かれることがよくありました。

社交辞令と礼儀ついて考えるようになったきっかけは2年前。
私に好意を持ってくれた男性に
『晴嘉さぁ、人を信用するの早くない?大丈夫か?』
と言われてからでした。

そういう指摘をされたことがなかったので、
結構プライドが傷ついた。

(大丈夫か?って大丈夫だよ。失礼だな。)
(犯罪に巻き込まれることなく生きてるだろ(# ゚Д゚))

心の中で言ったけど、相手には言ってない。
言うつもりもない。

実際には

そうかなあ、そうかもね。

と言った。
その男性は私に好意があるのに私の機嫌を取るような言葉を言わない人だった。
たくさん話を聞いてくれるけど、私の考えや行動に共感を示すことはあまりなかったように思う。
その頃の私はおかしかったので共感できないのも無理はないが、私に好意があるならもっと言い方があるんじゃないかと思っていた。

また、その人はデブでお金の使い方がおかしかった。
162センチで90キロはデブで間違いない。
バツイチで実家でお母さんと暮らしているが
すべて外食で済ませていて毎晩バーで深酒をしているという。

『養育費払ってるから一人暮らしは無理やねん。』
『おかんあんまり料理うまくないねん。』

お金の使い方おかしいし、おかんをなんやと思ってんねん。

私はその人に好意を持てなかった。

交際を申し込まれたけど、理由が言えない。

なんで?どういうところがあかんの?
と言われても言いたくない。

この時にこう言われたから、って一つ一つ振り返るんかい。
デブは生理的に無理って言わせるんかい。
お金の使い方もよく聞く話だし、
おかんに対する思いも別に珍しいもんでもない。
ただ私とはあまりにも違うだけで、おかしな人ではない。

困った私は「元カレが忘れられない」という抽象的な理由を言った。

この経験を通して
『人は相手の言動を不快に思ってもそれを指摘しにくい』
『ビジュアルがいまいちだなと思っても正直には言えない』
ということを身をもって知った。

そして自分を客観的に見ながら、言われてきた言葉を振り返った。

鏡を見れば可もなく不可もなしなビジュアルの45歳が映っている。
口を開けば語気が強いし、言葉選びがきついし、声色が怖い。
座れば猫背で足を組む。
歩けばうつむきがちでゆっくり歩く。
そしてなんとなく滲み出るメンヘラ感。

まずいい女ではないな・・・。

色っぽい→すぐやれそう
しっかりしてそう→やわらかい印象はない
いつもかっこいいのに時々かわいいのがギャップ→普段は扱いにくい

私が彼に本音を言わなかったように
周りの人も本音は言わない。

遠回しに言われた言葉の統計上に
私が他人に与える印象の答えがある。

人の言葉の裏を読め、ということではなく
人に気を遣われているという自覚をもって生きよう
と思った。

最大限気を遣われている中で
相手が私を距離を置くならそれは、
私が相当おかしなことをしているということ。
自分を省みるようにしよう。

こんな高校生ぐらいで気づくことを
40過ぎてから気づくなんて
本当に恥ずかしい人生だな。

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