まともな人との出会い

好きな人が3人いる。

そのうちの2人とはどうにかなることは絶対ない。

既婚者だからである。

私は不倫できるほどメンタルが強くないので、どうにかなりたいとも思わない。

離婚したら頑張るかもしれないが、2人とも離婚しそうにない。

2人とも仕事でそこそこの地位についており、真摯に仕事に取り組んでいる。

そこそこの地位についている人はやはり考え方が違う、と話すたびに思う。
数分の雑談で滲み出るまとも感にいつも癒やされる。

自分が今までいかにおかしな人に囲まれてきたのか実感した。
会社でも恋愛でも傷ついてばかりだったので、惹かれるのは自然なことだった。

仕事にプライベートに忙しく過ごし、負荷のかかる役割をやって当然・できて当然と過ごしている。

仕事で成果を上げていても自分をひけらかすことはないし、賞賛を求めることもない。

うまくいかないことがあっても、環境のせいにはしない。
犯人探しはせず、自分ができることを考える。
そしてそれを精一杯やる。

考え方がまともなので、やれば成果が出る。

そりゃ出世するよね。

もう1人はとても若く社会的地位はまだないが、やはりまともな人である。

素直で優しくて正直者だから、これからいろんなことを経験してきっといい大人になると思う。
話すたびに癒されるのは他の2人と同様である。

この3人との出会いがなかったら今の私はない。
傷ついて傷ついて負けていたと思う。

3人の誰かとどうにかなりたいとは思わない。

今の私は不安定であり、もし親しくなったらそれがバレてしまう。

3人とも私より年下なので、いい年してオタオタしているかっこわるい姿は見せたくない。
投げやりにならずにいられたのは、かっこわるいと思われたくなかったからである。

3人とも私がボロボロの時に出会った。
自分に自信がないし、人を信じる勇気も失っていた。

人の目を見て話すことができず、かっこわるい自分がバレるのではないかと怯えていた。

がっかりされたくないので、ネガティブなことを話さなかった。

3人とも、私のことをかっこいいと言ってくれた。
ボロボロで会社でも恋愛でも全否定された私を。
人生に失敗なんかないし、負け組なんか居ないとも言っている。

上を見ればきりがない。
自分の身の丈に合った生き方をして、自分の力の及ぶ範囲で責任を取れれば充分なのだと教えてもらった。

いつの間にか、人の目を見て話せるようになっていた。

3人とも、私がメンヘラなのは気づいてないと思う。
きっとそこまで興味を持たれていない。
それでいいし、それがいい。