まともな人 Cくん とっさの時に出る育ちの良さ
私には好きな人が3人いる。
Cくんは20代前半、親族が経営する会社で働いている。
私は45歳。
親子ほど年が離れているので、
仕事の話などの小難しい話は
しないように意識している。
子供がいないためか
たいしたことない職歴なのに仕事のことで頭がいっぱい
という生活を
長年してきたので
小難しい話を避けると
何を話せばいいかわからず
Cくんの前ではだいたい無口になる。
あんまり会う機会がないんだけど
顔を合わせても
Cくんは無理に話題を探そうとしない。
ずっと黙っている。
それがとても心地いいのだ。
沈黙に耐えられなくて
ついベラベラしゃべってしまう私が
黙っていても居心地がいいと感じる相手は
あまりいない。
Cくんがどう感じているかは知らないけど
私は勝手に癒されていた。
Cくんの魅力は育ちの良さ。
口数は多くないし
話すのもゆっくりだけど
深く考えずに言葉を発しているのは見ていてわかる。
その言葉が常に育ちがいいのである。
とっさの時に出るのがその人の本性だから。
私は育ちがよくなくて自己矯正した養殖ものなので
Cくんのような天然ものにはとてつもなく魅力を感じる。
年が離れすぎているので男性として意識してなかったが
会うたびにどんどんひかれていった。
そして、好意を持っていると自覚してから
会わないようにしている。
もう4ヶ月ぐらい接触を避けている。
Cくんが独身だから、
AさんBさんと話すときのように
うまくふるまうことができない。
好きになる前は普通に話せたのに
同じ様にふるまうことができない。
会うたびに好きになることは簡単に想像できるし
私の変な態度の理由がばれるのも時間の問題だ。
こんなおばさんに好意を持たれてるなんて
「えぇ・・・(困惑)」
だろうし、
きっと気持ち悪い。
私が彼の立場ならトラウマレベルに気持ち悪い。
出会えてよかったと思いながら
Cくんへの気持ちが冷めるのを待っている。
いつかまた
好きになる前のように
普通にお話ししたいな。
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