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半蔵
2023年1月24日 14:00
昨年の五月。市の図書館で見知らぬ詩集に吸い込まれ、たった一つの詩を飲み込んで、泣いた。悲しいわけではなかった。そこに、私や、私の身近にあった人をみた気がして、訳もわからぬまま、ただ、ただ泣いた。声は出さなかった。いっときでも長くその詩を見て、あまりにも物覚えの悪い、幼く、愚かな私の脳みそに、詩の一文字、詠人の名前、いや、苗字だけでも覚えておきたかったのに。もう、覚えていないのだ。綺麗さ