思うこと。
祖母が亡くなった、とメールがあった。
喪服用意してって、出先から直接通夜だな、と予定を変更し
しかし全く感傷的な気分に浸るでもなし。
なんだか物足りない。
いつも味方になってくれて、悩んだときは明るく励ましてくれて、人生の折に触れ思い返す度にエネルギーになるような言葉をくれて。
おばあちゃん、という存在に
ぬるいやさしさと郷愁をまとった理想像はあれど
うちにそんな婆さんはいない。
彼女は孫に関心が薄かった。
祖母をはじめ、両親、親戚、みんなそんな調子で互いに無関心なので、親戚付き合いはとても薄い。
思春期にはなぜか、サラヴォーンみたいなおもろくて懐大きくてチャーミングなオバちゃんが一人いたらなぁ、などど夢想したものである。
まぁ、サラヴォーンだってもしかするとヒステリックで嫌味だったかもしれないし
なんで見ず知らずの他人そこまでファンタジーを膨らませているのか自分でもよくわからんが、
サラヴォーンのなんかの音源を聴いたとき
こんな人間臭い温かみが、私の近くにあってくれたらいいのになぁ
と、ふと思ったことは覚えている。
おばあちゃん、結局私はどこからもそれを得られないのだ。
なんだか物足りない。
そしてつくづくさみしい。