存在と気配
父の骨を、墓におさめた。
1年間、家にあった父が、完全に不在になった。
亡くなってからも、家でうすく漂っていた気配が消えたのだ。お墓にはいったことにより。
形式や型は、そのとおり、自動的に行うことで区切りをつけさせるものだ。
そのあと生きていくための視線を、前へ向けてくれる要素もあるのだけれど、時として余韻やただよう気配を断ち切ってしまう。
少しずつ、ほんとうに少しずつこの世から気配がなくなっていくよりも早く、いなくなったものだ。
そんなこんなで、わたしは今、すこし空洞がこころにできているのである。