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「危険」という水素のイメージ、実は“誤解”

水素は爆発しやすく非常に危険で恐ろしい物質というイメージはありますか?
正しく水素を理解することでとても便利で環境にも人間にも役に立つガスなんです。
実は、、、
水素は燃えやすい気体ですが拡散性も高いためなかなか火がつきにくい物質です。
ガソリンは漏れて火がつくと地面に流れて燃え広がりますが、
水素は軽い気体であるため大気中で拡散し上昇します。
その速度は1メートル上昇するのにかかる時間はたったの0.3秒です。

実は、
日本では天然ガスが主流になる以前の昭和20年代から40年代にかけて都市ガスに水素と一酸化炭素の混合ガスが使われていました。
一般家庭でも毎日の暮らしの調理や風呂焚きに水素が使われていました。
この頃、都市ガスが安全なものとして日本の暮らしに馴染んでいたことからも水素は正しく使えば決して危険ではなないと言えます。
そもそも水素が爆発するのは水素ガスを圧力を高めて貯蔵するからです。
そして、圧縮されていた水素ガスが一気に大気に解放されて爆発のような衝撃があるのです。
しかしそこに漏れるものがなければ爆発の衝撃や音はするものの火は出ません。
よって、水素は圧力がなければ空気中に漂っているのと同じで火をつけることは難しいです。
実際の燃焼範囲は空気中に体積で4~75%含まれている場合で、その範囲外であれば着火しません。
また、発火点は水素は527℃でガソリンは500℃です。
いずれにしてもほかの燃焼系のガスと同様、取り扱いを間違えない限り危険度は高くありません。
水素自体は燃焼時に水蒸気と水になるだけで有害物質が発生しません。

水素は18世紀半ばにその存在が確認されて以来「空気より軽い」という性質を活かす研究が進められてきました。
20世紀前半には気球や飛行船に盛んに利用されていました。
ところが1937年(昭和12年)にアメリカで起こった大型飛行船ヒンデンブルグ号の炎上事故を機に水素を危険と考える人が増え水素ガス飛行船は姿を消してしまったのです。

しかし最近では、この事故は水素の“爆発”ではなく、外皮に使われた引火性の高い塗料と燃料の油による“火災”だったという説が有力になってきたんです。
そして、「水素=危険」というイメージは、いわば誤解だったことが判明したのです。


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