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歌人 横山未来子さんの推し短歌

はじめまして。推し短歌に投稿したくてnoteをはじめました。
よろしくお願いいたします。


■ 推し短歌連作

純度
#思い出す短歌  とつけて日々浮かぶきみの短歌を投稿しをり
旧仮名とひらがな真名の合はさりてうねりを生めりきみの短歌は
きみの歌を投稿したる日を書いて歌集に貼れる付箋さやげる
待ち受けにきみの自筆のうたの書が四行ならぶ 墨の濃淡
NHK短歌の「ネクストジェネレーション」きみの短歌と出会ひたりしは
一人(いちにん)のかなしみに添ふ歌を読む結句に純度高まるおもひ
きびきびと連結したる語のむすぶ夏に逢ひたるひとの印象
旧仮名も文語もきみの歌を知り使ひはじめぬ時に間違ひ
コーチなるきみと短歌の改作のやり取りをしき「うたう☆クラブ」に
三浦綾子読書会での詠草もをさむるきみの『とく来りませ』
きみの推す歌手のCDアルバムの名を書きくれしメモが残れり
信仰も短歌もきみに誘(いざな)はれここまで来たり揚羽蝶とぶ
きみの歌を推すひととゐて相聞の好きな一首を教へあひたり

( )内はルビです

■ 歌の背景

#思い出す短歌  とつけて日々浮かぶきみの短歌を投稿しをり

私の推しは、歌人の横山未来子さんです。知っている短歌のなかで一番暗誦しているのは横山さんのお歌だと思います。
横山さんの短歌を思い出したとき、X(Twitter)で「思い出す短歌」というハッシュタグをつけて投稿しています。
横山さんご本人に見つけていただけるととてもうれしいですし、
横山さんのお歌を多くの方に読んでいただけたらと思います。

旧仮名とひらがな真名の合はさりてうねりを生めりきみの短歌は

横山さんは旧かなづかい・文語で短歌をつくられています。
ひらがな表記、特に旧かなづかいがひらがなにひらかれたときの表記と漢字のバランスがとても好きです。

 乾きたる落葉のにほひ冷えゆきておもふ秋あらむこれからのちも
 /横山未来子『とく来りませ』

きみの歌を投稿したる日を書いて歌集に貼れる付箋さやげる

#思い出す短歌 を投稿した日付を付箋に書いて、歌集の投稿したお歌の上に貼っています。読み返すとこの日に投稿したんだな、と懐かしくなります。

待ち受けにきみの自筆のうたの書が四行ならぶ 墨の濃淡

横山さんは書道の正師範でもいらっしゃいます。
短歌も書道も究めていらっしゃり、本当にすごいなと思います。
書道展ではご自身の短歌作品を調和体で書かれたお作品などを発表されて
いて、できる時は会場に足を運んで味わっています。
そのとき撮らせていただいた書をスマートフォンの待ち受け画面にしています。ひらがなのゆったりとした筆の運びがとても好きです。

NHK短歌の「ネクストジェネレーション」きみの短歌と出会ひたりしは

私がはじめて横山さんの短歌をお読みしたのは「NHK短歌」という番組の「短歌ネクストジェネレーション」というコーナーだったと思います
(2012年10月放送分)。横山さんご自身が出演されていて、短歌だけでなくおだやかな微笑みやお声などからなんてすてきな方なのだろうと思ったことを覚えています。

一人(いちにん)のかなしみに添ふ歌を読む結句に純度高まるおもひ

横山さんは「短歌ネクストジェネレーション」に3回にわたってご出演されました。そのうちの一回で第一歌集『樹下のひとりの眠りのために』より次のお歌を紹介されていました。
 君が抱(いだ)くかなしみのそのほとりにてわれは真白き根を張りゆかむ
「きみ」のかなしみを吸い取りたいという思いが決意にまで至っているような結句だと思います。今でもとても好きな一首です。

きびきびと連結したる語のむすぶ夏に逢ひたるひとの印象

横山さんご出演の「短歌ネクストジェネレーション」を見たあと、『セレクション歌人30 横山未来子集』を買ったように記憶しています。
横山さんの第一歌集『樹下のひとりの眠りのために』と第二歌集『水をひらく手』の抄出や散文、横山未来子論などが収められています。
この歌は第一歌集の巻頭歌について詠みました。
 あをき血を透かせる雨後の葉のごとく鮮(あたら)しく見る半袖のきみ
 /横山未来子『樹下のひとりの眠りのために』
文語なのに古臭くなく清新で、新しい世界を見た思いがしました。横山さんのお歌からは適切に配された言葉が、窮屈な思いをせずにいきいきと働いているように感じます。

旧仮名も文語もきみの歌を知り使ひはじめぬ時に間違ひ

横山さんのお歌にあこがれて自分でも旧かなづかい、文語で歌をつくるようになりました。ときどき間違えてしまい、横山さんが選者をされている三浦綾子読書会短歌欄の投稿で旧かなづかいの誤りをご指摘いただいたこともあります。

コーチなるきみと短歌の改作のやり取りをしき「うたう☆クラブ」に

短歌総合誌の「短歌研究」に以前、「うたう☆クラブ」というコーナーがありました。ご担当のコーチが投稿歌を添削するのではなく、アドバイスすることで作者が自分で改作するというものでした。横山さんは長くコーチを務めていらっしゃったのですが、私は投稿するなかで光栄にもやり取りさせていただいたことがあります。とても楽しくためになりました。

三浦綾子読書会での詠草もをさむるきみの『とく来りませ』

横山さんは作家の三浦綾子さんの自叙伝『道ありき』を読まれて短歌とキリスト教信仰に出会われたそうです。現在は三浦綾子読書会短歌部門の講師をされていらっしゃいます。私はできる時に参加させていただいているのですが、その歌会での横山さんの詠草が第六歌集『とく来りませ』に収められていました。歌集を読んで見つけたときうれしかったです。

きみの推す歌手のCDアルバムの名を書きくれしメモが残れり

横山さんは歌手の久保田利伸さんの長年のファンでいらっしゃり、ライブ詠なども詠まれています。推しにも推しているひとがいるのだなとしみじみします。

信仰も短歌もきみに誘(いざな)はれここまで来たり揚羽蝶とぶ

横山さんはプロテスタントのクリスチャンです。私は横山さんから直接短歌を学びたい思いで三浦綾子読書会短歌部門に参加し、それがきっかけで信仰に導かれました。横山さんには短歌についても信仰についても道を示していただいたように思い、大変感謝しています。

きみの歌を推すひととゐて相聞の好きな一首を教へあひたり

自分の好きなひとも横山さんの短歌を好きで、ときどき横山さんのお歌について話します。推している方の作品について好きなひとと語り合えて、幸せだなと思います。

長文でしたがお読みくださり、ありがとうございました。
これからも横山未来子さんのお歌を読んでいきたいと思います。
そして推していけたらいいなと思います。

#推し短歌


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