近藤芳美賞応募作 11 ひろな 2024年4月1日 21:31 第11回目の近藤芳美賞に応募しました。選外でしたが、自分にとって大事な連作になりました。記念にこちらで公開させていただけたらと思います。15首の連作です。地球照抱くなめらかな体毛うすききみの腕半年前よりやせてゐるやう電話にて声を聞きゐしきみがゐるわれの隣に足を組みつつ哀しみにやさしさ溶くるまなざしを近く見てをり夏の広場に樹の幹の静かさにあるひととゐて鼻梁の高き横顔を知る雑貨店にマグカップ見る日常に使ふ器の話をしつつガチャガチャをきみは回してリュックへとつけたり猫のキーホルダーをおそろひのキーホルダーに傾けど物にたのめる心を抑ふこの次に行きたい場所を訊かれをりこれからがあることにおどろく去りゆける歩調の速しわれとゐてあるけるときは合はせくれたりあつめたる小石たがひに置くごとく昨日の逢ひを言葉にしをり好きよりもうれしき言葉きみからの「一緒にゐるととても落ち着く」 下の名ではじめてきみに呼ばれたり白き花弁のひらくおもひに食べ物のアレルギーなど訊きくるるきみとこれから行く場所がある変はらずに敬語で話すきみとわれこの距離感を育てゆくべしきみのもつ影の部分も知りゆかむ地球照抱くほそき三日月近藤芳美賞応募作 ダウンロード copy #短歌 #短歌連作 11 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート