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今年をふりかえる

久しぶりの投稿です。あっという間に月日は流れ、気が付けば年の瀬になっていました。今年のことを少し振り返ってみます。 この一年は、大きな変化なく淡々と進む日々でした。体調を崩すことなく平穏に過ごせてありがたかったけれど、穏やかな日々の中でも、気持ちを揺さぶられてしまうこともありました。 このままじゃだめだと落ち込んだり、どこか別の場所へ逃げ出したくなったり。でもなんとか耐え忍んで、同じところに留まっていました。そこが自分の居場所なのだと信じて。 まわりにいる人たちには、な

    • ある白鳥のこと

      子どもの頃、家族でよく遊びに行った公園がある。社会人になってからは足が遠のいていたけれど、しばらく仕事を休んでいたとき、私はよく母と一緒にその公園に出向いた。 当時の私は、からだの痛みにばかり注意が集中して、ぐるんぐるんと頭の中を駆け巡る思考に振り回されていたから、生い茂る木々の下を歩きながら、なんにも考えずに深呼吸をするのは気持ちが良かった。 何者でもない私。なんにもしない私。ただ、青い空と緑を眺めながら、新鮮な空気を吸って、息を吐く。それだけで、充分だった。 その公

      • 芽吹く希望

        色鮮やかな絵だった。空や星。海。花。春夏秋冬などの、さまざまなイメージが抽象的に描かれていた。くっきりと目に映える、さまざまな色が混じり合い、力強い輝きを放っていた。 彼女の絵を見ていると、私のモノクロだった日常に、ぱっと華やかな色が付いたように感じた。わくわくと、子どものように心が踊った。 先日、十歳年上の従姉妹に招待されて、絵の展示を見にいった。 明るく、知的で、社交的な彼女は、昔から私の憧れで、十年先の未来を歩く道標のような存在だった。いつもたくさんの人たちに囲ま

        • 春めく

          実家の庭に咲く水仙は、わたしが一番好きな花だ。これみよがしに咲き乱れるその花を写真におさめ、まだ青くふっくらとした蕾を見ながら、ぼんやりと考えた。 暗く、長かった冬が終わる。 蕾のように閉じてしまっていたこころは少しずつほころびはじめ、まわりとの調和を求めている。 長いあいだ眠っていた頭が鮮明になり、こころは春めいてきた。 人とうまく繋がることのできない時期がしばらく続いていた。ひとり、ぷつっと、まわりの世界から切断されてしまったように。 人を気遣うことに疲れてしま

        今年をふりかえる

          人のためになること

          スペシャリストになりたかった。 資格を持って働いていた父が、私に向かってこう言ったのだ。 「ジェネラリストじゃなくて、スペシャリストになりなさい」「どこでするかじゃなくて、何をするかが大事なんだよ」 お父さんは、私が成人した年に亡くなってしまった。私が何の仕事に就いたのかも知らないままで。 ✡ 私は、父とはまったく異なる分野の仕事に就いた。専門的で、ちょっと特殊な世界。 働きながら資格をとるために勉強した。 なぜ資格をとりたいのか、これからどういう風に働いていき

          人のためになること

          足るを知る

          新しい年がやってきましたね。 みなさま、いかがお過ごしでしょうか。 私自身、昨年を振り返ると、環境が変わったり、新しいことを始めたりと、ゆっくりとしたペースではありながら、少しずつ前に進んでいることを実感できた、よい1年でした。 今年は、いろいろ欲張らず、いまある居場所に感謝して、いままであまり目を向けてこなかったもの、すでに私のまわりに存在するものに目を向ける年にしたいなと思っています。 今年の目標をひとことで表すなら、足るを知る、です。 これまでは、自分に足りない

          足るを知る

          与えること、奪われること

          私が心身を壊したとき感じたのは、私はまわりから何かを奪われている、ということでした。 もう奪わないで、放っておいてほしい。 からだがよくならなくて、感情のコントロールもうまくできないとき、ずっとそう思っていました。 一体、何を奪われているのだろう。 エネルギー、優しさ、愛…  言葉にすると陳腐だけれど、それは、私の中にある、形がなくて、あたたかいもの。私にとって、とても、とても、大事なものでした。 『愛するということ』の中で、エーリッヒ・フロムは、愛は与えることだ

          与えること、奪われること

          言葉にするということ

          私は、話すことが苦手です。 いつから、どのようにして、苦手になったのかは覚えていませんが、幼い頃から、私は人とうまく話すことができませんでした。 いま考えても、どうしてなのか、わかりません。 話さなければならないと思うと、緊張して、ぐっと言葉を飲み込んでしまいます。 そんな調子でどんどん年齢を重ね、私は中学校を卒業するまで、家族以外の人たちと、まともに話をしたことがありませんでした。 部活動や修学旅行、青春時代の楽しい思い出。きゃっきゃ、きゃっきゃと小鳥の囀りのよう

          言葉にするということ

          私とそのまわりにある世界のこと

          noteをはじめたばかりなので、私のことについてお話しようと思います。 「あなたはどんな人ですか?」 と聞かれたら、みなさんはどのように答えるでしょうか。 自分がどんな人なのか、自分で説明するのは本当に難しいです。 私が他人から言われたことがあるのは、 優しい、真面目、大人しい、落ち着いている、しっかりしている、忍耐強い、ドライ、クラシック、何を考えているかわからない… などなど。 どれも私だ、と思います。 なかでも一番しっくりきたのは、 「飄々としている」

          私とそのまわりにある世界のこと