スマーフィング(スマーフ)に対するお気持ち表明
『Apex Legends』にて「スマーフィング」が通報対象に。上級者サブアカによる「初心者狩り」が違反行為として指定
筆者はこの出来事をツイッターで知ったが、他の人の反応の中に予想外のコメントが結構あった。
「友達とランクするのに困る」
「メインアカウントと比べて何ランク違いまでなら実質セーフかな?」
「甘えたゲームになったな」
これらの反応に対して個人的に思う所があり、noteで文章化する事で自分の考えを纏めようと思う。
スマーフィングとは?スマーフィングとは、オンライン対戦ゲームなどで高度なスキルを持つプレイヤーが、初心者などの自分よりも下手なプレイヤーと対戦するために、新しいサブアカウントを作成してゲームをプレイする行為を指します。https://www.inverse.com/gaming/smurfing-meaning-gaming-overwatch-league-of-legends
おそらく対戦ゲームをプレイしない人にとっては良く解らないと思うので説明をすると、現行の多くの対戦ゲームでは、プレイするにあたりアカウントを作成します。
このアカウントにはプレイヤーの実績が蓄積されていき、戦績などに応じてポイントやランクが付与されます。
将棋やチェスなどでいう段位やレーティングに近い概念で、これにより実力の近いプレイヤー同士をマッチングさせる仕組みが成立しています。
この仕組を回避する方法として、別のサブアカウントを作成し、本来の適正マッチングとは異なる、本来より格下の相手と対戦をする行為が、スマーフという訳です。
何故スマーフをするのか?
どう表現するか迷ったのですが、まぁシンプルに本来のマッチングより格下との対戦を行うため、対戦相手をボコボコにして楽しめます。
どこかの大魔王も言っていたように、我々愚かな人間さんには強大な力で弱者を思うようにあしらう時は気持ちが良いという性質があります。
その弱者を求めて、格下とのマッチングを意図的に行う訳ですね。
これは非常に難しい問題で、鍛え上げて強大な力を身につけるより、俺より弱い奴に会いに行くほうがコストは遥かに低いんですよね。
要は強くなりたいのではなく、勝って気持ちよくなりたいという欲求です。
また他にも「友達とランクするのに困る」というのが声としてあります。
APEXというゲームの基本ルールは、1チーム3人の単位として20チーム用意して、最後の1チームになるまで戦うバトルロワイヤル方式です。
参加する為には事前に3人の用意せずとも、自動的に3人のチームが即席で組まれますが、予めチームを組んで参戦する事も可能です。
ただこのチームの制限として、チームメンバーのランクが一定以上の差がある場合、一緒にランクマッチには参加出来ないというルールがあります。
そのため、友達と近いランクのサブアカウントを作ってランクマッチをプレイしているという事です。
後述しますが、ただのクソ行為です。
スマーフによる悪影響とは?
大前提として重複になりますが、ランクやポイント(レーティング)には実力の近いプレイヤー同士をマッチングさせる仕組みとしての意味があります。
そのマッチングシステムを破壊してしまうのが、最大の悪影響です。
例えば貴方が初めて何らかの対戦ゲームをプレイしたとします。
通常であれば最初に数戦した戦績等から、同じぐらいの強さのプレイヤー同士によるマッチングが行われ、勝つか負けるか解らない試合を楽しめます。
ですがスマーフ用のサブアカウントが存在すると、不適切なマッチングでの試合が発生して、やたらとボコボコにされたりする訳です。
これが100試合ほどやって1回あるかないか程度であれば、それほど気にしないプレイヤーも多いとは思いますが、スマーフが増える度にマッチングする確率は高まっていきます。
これによりゲームをプレイする事を辞めてしまったり、最悪の場合、本来発生しないはずの理不尽な敗北を多く経験する事によって、元被害者もスマーフ行為に手を染める負の連鎖が発生する事まで想定されます。
また「友達とランクするのに困る」という内容に対してですが、その都合は他のプレイヤーには関係ありません。
逆の立場に立ってみましょう。
スマーフ行為をしているプレイヤーが「友達用のサブ垢なんで^^」と言った時に、貴方は許せますか?
僕は許せません。
またそういったランクシステムを搭載したゲームが、友達同士であっても実力差がある場合、一緒に遊べないようになっているのか?と言うと、大抵のゲームで答えはNOです。
APEXであればカジュアルと呼ばれる別のルールが存在しており、このモードではランクやレーティングが増減せず、ランク差も気にせずパーティーを組んでの参加が可能です。
つまり友達と遊ぶためというのは言い訳になりません。
ちなみにAPEXのカジュアルモードは無差別マッチングという訳ではなく、スキルベースマッチメイキング(SBMM)と呼ばれる仕組みでマッチングが行われています。
明確な内容は非公開ですが、直近の戦績などから数値を算出して、同じような強さのプレイヤー同士でのマッチングを実現させています。
オマケ 新規プレイヤーの育つ畑
個人的にスマーフ行為は、新規プレイヤーが育つ畑を荒らして、未成熟な作物を刈り取る事に近いと思います。
少し前にあった出来事で、Steamセールでとある格ゲーを500円程度で購入したのですが、なんと平均のアクティブプレイヤーが50人、最大時でも100人程度しか居ない限界集落だったんですよね。
Steamのゲーム別プレイヤー数はこちらから確認する事が出来る。https://steamcharts.com/
そこにセールや新作の情報もあって、大体80人ぐらいの新規プレイヤーが流れ込んだのですが、3日程度で半数近くがプレイを辞めた様子です。
というのもマッチング機能がまともに動作しておらず、昨日始めた初心者とキャラの全1がマッチングする有様でして、初心者はずっとコンボを喰らい続けて何も出来なかったりする訳です。
更には自分より強い相手には切断をして、新規の弱い相手には対戦を申し込むプレイヤーも多数存在している地獄絵図でした。
これはもう詰んでしまっていた例ですが、何らかの理由で新規プレイヤー自体が増えることがあっても、新規プレイヤーが育つ畑が守られていなければ、そのゲームはいつかこういった限界集落に辿り着きます。
自分たちが楽しくプレイしているゲームを守る為にも、新規プレイヤーの育つ畑を汚染してはいけません。
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