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幸運が繋いだ商品化までの道のり

こんにちは!トガプロ4年のめいです。
noteを書くのはもしかしたら半年ぶり?かもしれないので、書き始め方に結構悩みますね。笑

私は、ここ半年間さるなしの商品開発に取り組んできました。さるなしというのは、山岳地域に自生する幻の果物で、ベビーキウイと別名で呼ばれるようにキウイに似た断面と味をしています。利賀村で採れたさるなしを使って、都内のケーキ屋「ENTIER」さんと一緒にさるなしケーキを協働開発し、約一ヶ月前に無事販売が終了しました。

今回は、そのさるなしの商品開発の振り返りということで、この企画の始まりから終わりまでつらつらと書いていこうかなと思います。文章にまとまりがなく長くなってしまうかもしれませんが、ご了承ください!笑

さるなし商品開発の始まり

そもそも、さるなしの商品開発をやろうと言い出したのは私なのですが、きっかけは、個人旅行で利賀村にいった際、たまたまさるなしの生産者である野原丈司さんと出会ったことです。野原さんのご好意で、生まれて初めてさるなしを食べることになり、これが想像以上に美味しかったんですよね。元々、私自身が果物好きだったということもありますが、キウイとレモンのような甘酸っぱさと爽やかさにすっかり虜になりました。

ぱくぱくとさるなしを食べて満足していた帰り際に、野原さんが、「沢山余っているから持って帰っていいよ」と、手に抱えるほどのさるなしを笑顔でプレゼントして下さいました。
さるなし自体だけではなく、そんな野原さんの温かい人柄と可愛らしい笑顔にも惹かれ、「さるなしを活用した企画を行い、野原さんに貢献できたらいいな」という漠然とした想いがこの時生まれました。

そして、少し話は逸れますが、その数ヶ月後にトガプロ内で企画コンペを行いました。2or3人1組でチームになり今後トガプロの活動としてやりたい企画を発表するというものでした。
チーム内での会議の時にさるなしの商品開発を提案した結果、それがチームの案となりました。案を発表する状況に置かれたことで、野原さんと出会った時に感じた「さるなしを使った何かしらの企画をやりたい」という想いが少しずつ具現化し、新学期になったタイミングでその企画を立ち上げることにしました。

以前、牛島先生が「頭でやりたいと思っていても、それを行動に起こさないと結局実現できないよね」とおっしゃっていましたが、おっしゃる通りだなと感じます。コンペのおかげで、企画を実現するとしたらどうすればいいかを考えられた、要は企画実現への一歩を踏み出すことができました。(先生が会話の中で何気なく発するお言葉は、結構重要なことだったりするので肝に銘じたいと思います。笑)

長くなりましたが、こうしてさるなしの商品開発は始まりました。

紆余曲折した準備段階

私含めてメンバー全員、誰も商品開発を経験したことがなかったため、当初はお先真っ暗でしたね。笑
そもそも、国内でさるなしの商品化の例が少ないがゆえに、どんな人と協働してどんな商品を作るのが最適なのかも分からず、とにかく未知の領域でした。さらにコロナ禍という状況下だったので、正直「この企画は本当に実現できるのだろうか、少し厳しいな」というネガティブな考えが頭をよぎることも何度もありました。
ただ、この企画をスタートする時から、どんなに実現可能性が低かったとしても納得がいくまでやり切ろうということだけは決めていたので、紆余曲折しながらもチームで会議を重ねていきました。

そんな中、運がいいことに、利賀村の商工会の方が商品開発のアドバイザーとしてお仕事をされている松井さんという方を紹介して下さいました。そして、松井さんが、今回協働させて頂くことになったケーキ屋「ENTIER」のパティシエである柴田さんを紹介して下さいました。
このお二人と出会えていなかったら、今回の企画は実現していませんでした。このお2人と協働することになったタイミングが、さるなしの商品開発の始まりといっても過言ではありません。

プロの言葉にハッとする日々

お二人が協力して下さることが決まってからは、毎回2時間にもわたる会議を何度も行いました。私達の意見に対するお二人の助言がどれも鋭く、いかに自分たちの考えが深い所まで及んでないかを毎回気付かされました。
私達は、「こういうのをやってみたい、面白そう」という自分達視点での意見ばかりを持っていて、消費者目線が圧倒的に足りていなかったんですよね。今回の企画は自己満足では終われないし、いかに多くの人が買ってくれるのかというマーケティング的視点を大事にしないといけませんでした。
学生のうちに、プロのお二人から沢山の学びを得ることができ、とても貴重な経験でした。

予想以上の結果

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数ヶ月にもわたって、どんな商品にするか、どんな広報物を作成するかを考え準備し、10月28日からさるなしケーキの販売がスタートしました。ついに多くの人に食べて頂けるというワクワクが半分、さるなしという果物は正直有名であるとは言えないし、本当に買ってくれるのだろうか、という不安が半分ありました。

しかし、販売期間の1ヶ月で沢山の嬉しい言葉を聞くことができました。

今までさるなしのことを一切知らなかった消費者の方々が、SNSに商品の写真とともに「美味しかった」という言葉を載せて発信して下さいました。購入者限定で商品開発のストーリー動画が見れるQRコード付きのメッセージカードをお渡ししていたのですが、「動画に映る野原さんのファンになったので、また買いに来ました」と2度も購入して下さる方もいました。以前、利賀村を訪れたご経験があり、「さるなしケーキのおかげで、利賀村での楽しかった日々を思い出しました。ありがとう。」とおっしゃった方もいました。
他にも、トガプロメンバー以外のゼミ員、ゼミOBの方々、知り合い、家族親戚など、沢山の方々がさるなしケーキを購入し、美味しかったよと声をかけて下さったんですよね。生産者のために、という想いで始まった企画だったけれど、こんなにも多くの人に喜んで頂けたこと、人と人や人と地域を繋げる架け橋になれたこと、とっても嬉しかったです。初めは、何も見えないトンネルの中を進んでいた気持ちでしたが、多くの方々の言葉によって光が差したような心地でした。

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(さるなし商品のラインナップです。)

この企画を終えて

今回の企画を通じて、自分達の可能性と商品開発の可能性を知ることができました。未知の領域だったとしても手探りで前に進めば必ず実現に近づけるし、商品1つで多くの人にプラスの感情や素敵な繋がりを創出することができると実感しました。
今回で終わりではなく、来年度以降もさるなしを活用した企画を継続し、「利賀村=さるなし」というイメージをトガプロの後輩達が広げていってくれたら嬉しいなと思います。

最後に、利賀村の商工会の斎藤さん、さるなし生産者野原さん、「ENTIER」のパティシエ柴田さん、商品開発のアドバイザー松井さん、購入者の皆様、そしてメンバーのみんな、本当に本当にありがとうございました。

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