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1勝1敗で迎えたレギオンマッチAリーグ3戦目、特に苦難もなく大差で勝利した。とは言え、既に半端な実力のレギオンは淘汰されているので、オーダーのタイミングや参加人数のブレで簡単にひっくり返されてしまうような実力差でもある。精力的に参加してくれているメンバーには感謝したい。

さて、昨日最終回を迎えた作品は二本。フルダイブは……驚くほど無味乾燥な作品だった。ギャグラノベとしてはお手本に近い展開の仕方であり、基本的に主人公が理不尽な目に遭い、ゲーム特有の成長イベントも起きず、時折覚悟を決めてパワーアップしたかと思えばすぐに腰を折られる……という流れを忠実に守っていたのだが、アニメーションというメディアを使用するにあたってそれだけでは不十分だったかなという感覚がある。地上波放送でいえば30分×12回、これは思っているよりも長いものだ。同じことの繰り返しでは乗り切れない難しさがあり、各作品創意工夫を凝らして飽きさせないアイデアを出してくれるのだけど、フルダイブは原作通り描くことを意識しすぎて起伏に乏しい内容になってしまったかなと思う。敢えて良い部分を挙げるならば、ナイスシャワー・ベストフレンドキラー(いい漏らしっぷりの親友殺し)のようにユーモアを感じる部分もあった。あと妹ちゃんが可愛かった。それからこれは魅力といっていいのかは分からないが……これほどまでに動かない主人公は初めて見たかもしれない。作品が作品なので正しい流れなのだけど、一話丸々棒立ちで戦闘を眺めているだけの回もあった。まあ、これはこれで新しい視聴体験だったかなと思う。何はともあれ完走したフルダイブ、楽しませていただきました。続編があったら妹ちゃんをMMO内に登場させてほしいですね。制作お疲れ様でした。

さて、二本目はスーパーカブです。studio櫂の表現力に支えられて走り出したこの作品も、無事物語に幕を下ろすことになりました。12話は椎ちゃんを乗せて西へ西へと走り続ける、冬からの逃避行。思い出あり、仲間あり、バイク乗りとしての知識もある小熊ちゃんが、もう「ないないの女の子ではない」と示す最終話。それが全ての始まりである「スーパーカブ」をタイトルに描かれること。そして掴み取った春の中、椎ちゃんもリトルカブとの出会いを果たせたこと。この作品が描いてきた「カブと共に何処までも」を体現する、素晴らしいエピソードになっていたと思います。11話で小熊ちゃんが言ったように、カブは何でも叶えられる万能の存在ではありません。しかし作中ではあらゆる困難を打開し、命の危機すら救うことの出来る相棒として小熊ちゃんたちの物語を支え続けていました。最終話でも、朝と夜を繰り返しながら、三人が美しい景色に囲まれて日本の果てまで走り続けます。現実では、間違いなく同じような行為は出来ないでしょう。自分も本当に鹿児島まで行くとは思っていなかったので、見ている際に「それはあり得ないだろう」という思いが脳裏を過りました。しかし映像から「それでも行く、私たちは行くんだ」という強い想いが迸っていたし、それこそが世界を変え得るのだと、たった数日間の軌跡は雄弁に語っていました。そこには本田技研がカブという「車両」に込めた無限の可能性、この乗り物と共にどこまでも羽ばたいてほしいという願いがあって、中盤からどんどん現実を離れて救世主になっていくカブの意味するところを、ようやく理解できたように感じました。60年前に誕生し、愛され続けたスーパーカブ。私の祖父も所持していて、乗り回していたというスーパーカブ。それがどのような想いを背負って生み出され、今まで走り続けて来たのか、小熊ちゃんの物語と共に見事に表現され、桜舞う季節に祝福をもたらしていたと思います。

さて、12話かけて3人の世界に彩りを与えてきたこのお話も遂に結びを迎えました。もう彼女らの成長を見れないのかと思うと心苦しいところですし、本当なら「カブと共に、何処までも」を叶える彼女たちをもっと見届けていたいのですが、それは贅沢な想いなのかもしれません。しかし、スーパーカブが描いた物語は自分の中に残り続けるし、生きていればいつか”その先”と巡り合える可能性だってあります。だってカブだもの。まずは小熊ちゃんたちの過ごした季節を知りに、山梨に行ってみたいですね。とても好きな作品でした。ありがとうございました。

水曜視聴作品:究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら12🈡 小林さんちのメイドラゴン12🈞 スーパーカブ12🈡

サムネイル引用元:©Tone Koken,hiro/ベアモータース

執筆中に聞いていた曲

アーティスト:tacica

1.冒険衝動

2.aranami

3.newsong

4.群青

5.stars

6.go by

7.夜明け前

8.発熱

9.Butterfly Lock

10.咆哮の詩

11.ヒカリトカゲ

12.フラクタル

13.acaci-a

14.ONE

15.サイロ

16.NWM

17.黄色いカラス

18.HERO

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