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座学を終えた感想②
これは入寮してすぐ思ったことだけど、
「フライト学生の先輩たちが眩しすぎる」
オンライン座学を終え、いよいよ宮崎へやってきた。やっぱり軍隊的で厳しいところなのかという漠然とした不安やずっと意識してきた場所に来たという高揚感を持って入寮した。
事前に送られてきた寮内ルールにビビりながら右も左もわからない座学生の僕。洗礼として先輩たちから理不尽にしばかれるという噂もあったので少し緊張していた。大学でも寮生活をしていたが、そこは多少のルールこそあれ、上下関係はもちろんゆるゆるで自由でのんびりした環境。規律や伝統を重んじるイメージの航大とは180度違うものだった。
と、ある程度覚悟はして入寮。系列で引き継がれた通り、同じ系列の先輩方にお土産を持って挨拶に行く。
今まで上下関係のある環境にほぼいたことがなく、挨拶の作法もままならないまま先輩とのファーストコンタクトをした。
感想:めっちゃ優しい。
「おーこんなの貰っていいのー?ありがとう!これからよろしくね!わからないことあったらなんでも聞いてね!落ち着いたら系列会やろう!」
こんな感じ。 正直めっちゃ安心したし、自然と尊敬の念が湧いてくる。
話さなくとも、食堂や廊下で見かけるウィングマークを胸に光らせたフライト学生の先輩の輝きは我々ひよこ座学生にはあまりにも眩しすぎた。
今までの憧れといえば空港やボーディングブリッジから見る制服姿のパイロット。でも、入寮したての座学生にとって寮内で見るフライト学生は同じくらい憧れの存在として見えた。
宮崎にいるフライト学生さんはみんな帯広を乗り越えてきた人たち。面構えが我々座学生とは違う。やはり修羅場を潜ってきたんだなという感じを受けた。
座学の3ヶ月でさえ、自分としては俗世から乖離した閉鎖的な空間でひたすら勉強や行事の準備に励むことにすらヒーヒー言っていたのに、座学よりはるかに大変であろうフライト訓練を半年以上やりながらも楽しそうに過ごし(本当は違うかもしれないけど)後輩を気遣う余裕をみせる先輩方の懐の深さには頭が上がらない。
というか、普通に定期旅客便がひしめく中でATCを交信し、同じ滑走路を使って飛行機を操縦してるってやばくない?と思う。
座学が終わって帰るときに旅客ターミナルから先輩達のシーラスがタッチアンドゴーをしてるのを見たとき改めて先輩方がやっていることのカッコ良さを実感した。 俗世とは離れた対岸の学校にいるときに見てもカッコいいけど、シャバの世界でいち空港利用者として見ると、たくさんの人に見られながら、時には少年少女憧れの眼差しを受けながら訓練しているんだなということを感じた。学校にいた時とはまた別の視点から先輩方のしている事の重大さを理解すると共にリスペクトを更に高めながら帰りの飛行機に乗った。
自分もいつかそうなれるのか、これから始まる帯広で実機に乗るイメージすらまだよくできないくらい距離を感じるけど、宮崎に帰ってくる頃にはそんな余裕を見せられる人になっていたい。