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乳がんと妊娠ー治療について

【治療】
手術
・非妊娠・授乳期と手術術式の選択は変わらない。
妊娠・授乳期乳がんに対する手術について、日本乳癌学会の診療ガイドラインでは、
妊娠中期以降は比較的安全であることから、勧められている。
・妊娠中の全身麻酔の安全性に関しては、妊娠前期(妊娠13〜14週ごろまで)、
妊娠中期(妊娠14〜16〜26週ごろまで)に手術を受けた場合、流産率が増加するとの報告がある。
・妊娠・授乳気の手術術式に関しては、非妊娠時・授乳期と同様に考えるべきだが、乳房温存療法を行う必要があるがめ、放射線治療を出産後まで待てない場合には、乳房切除術の適応になる。

化学療法
・妊娠前期器官形成期であり、催奇形性が問題となるため、抗がん薬は使用できない。
 そのため、乳がん治療の開始が遅くなる可能性がある。
・妊娠中期以降は、器官形成期を過ぎているため、奇形の頻度は正常妊娠と同様になるが、
 胎児発育不全と早産例(乳がん治療のため医原性のものが多い)が増加するとの報告があり、それらのために児に合併症が起こる可能性がある。
・症例数が少ないことがあり、児の精神発達・生殖機能への影響、アントラサイクリン系薬の心筋への影響、2次性がん発生の可能性ははっきりしていない。
・化学療法に伴う母体の骨髄抑制による、分娩時の敗血症や貧血などを避けるため、分娩前3〜4週間前には化学療法を中止する必要がある。
そのため、乳がん治療の期間が制限される可能性がある。
 ・分娩は乳がん治療を合わせるため、正期産近く(妊娠37週ごろ)になった時点で分娩にすることがある。(乳がんの病状や治療状況により異なる)。
  そのため、分娩誘発や帝王切開術が必要となる可能性があり、母体への負担があることや、また児は早産になると長期的な影響が出る可能性がある。

【参考・引用書籍】
学研:乳がん患者ケア パーフェクトブック

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