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久保田利伸のバラード名曲、語っていいですか?〈Missing〉〈Indigo Waltz〉〈雨音〉〈Cry On Your Smile〉

大好きな、久保田利伸さん。
80年代、時代を先取りしすぎていた彼の曲は、過去こちらで紹介ずみ。

今回はこれらのようなアップテンポな曲ではなく、彼のバラードの話。
「LA・LA・LA LOVE SONG」(1996)以前に発表されたものを中心に。


Missing

「Missing」はファーストアルバム「SHAKE IT PARADISE」(1986)収録。言わずと知れた名曲だけど、実はシングルではない。

この頃彼の曲の歌詞は、作詞家(川村真澄さんなど)によるものが多かったけど、この「Missing」は久保田さんによるもの。
許されない恋を歌った、切ない歌詞。

黄昏に精一杯の息を吸って
目を閉じるだけ oh
I love you 僕だけの君ならば
この道をかけだして
逢いに行きたい 今すぐに

「Missing」歌詞(作詞:久保田利伸)より抜粋

「黄昏に精一杯の息を吸って 目を閉じるだけ」
これ、苦しさがめちゃくちゃ伝わってきませんか。

好きになっちゃいけない人を好きになって、どう考えてもあきらめるしかない。
わーーーっ!てなりたいのをこらえて、ひたすらやりすごす感じが。

明るいイメージしかない、ひたすらエネルギーを外へ外へ発しているかのような久保田さんが、こんな繊細な歌詞を書いたのだなと思う。


Indigo Waltz

Indigoインディゴ Waltzワルツ」は、アルバム「Such A Funky Thang!」(1988)収録曲。
ポップな前作までと比べて、このアルバムはかなりR&B色が強かった。

もし久保田さんの曲でベスト3を挙げろと言われたら、私は必ずこの「Indigo Waltz」を入れる。
でも世間的には、「Missing」と比べて認知度は低い。曲調がその名の通りワルツで、ちょっとエレガントすぎるのか。

歌詞が大人すぎるという話も。

でも、とても詩的で洗練された歌詞でもあって。

果てしない宇宙の隅に 限りある時と場所
明日や希望よりも 今に甘えて そこにいたかった

「Indigo Waltz」歌詞(作詞:久保田利伸)より抜粋

広い宇宙に比べればと言うけど、実際私たちは、与えられた時間も場所も限られていて。そういう中で出会えた人がいて。
それが許されないものでも、未来のためにならないとしても、あの時はそこに居続けたかったんだ……

そんな私の稚拙なポエムを洗練させると、上記の素敵な歌詞になる。

(しかし、また許されない恋だな?)


ステージであんなに日本人離れしたパフォーマンスを見せて、曲は全部作って、しかもこんな繊細な歌詞まで書いて。
どんだけ天才なんですか、久保田さん!!


ちなみにこの曲は、MISIAもカバーしている。彼女も、久保田さんからの影響を公言する1人。


レゲエ調アルバム「KUBOJAH」収録曲「雨音」

人気絶頂の久保田さん、90年代に入ると、出すアルバムは初期のポップなものと比べ、かなりこだわりを感じるものになってきた。
アルバム「KUBOJAH」(1991)は、全編ほぼレゲエ調。

このアルバムの中で有名なバラードは「雨音」。タイアップもあったしベスト盤にも収録された。

人気の秘密は、なんだったのか。
私は、レゲエ×演歌 の化学反応かなぁと思う。
私が常々感じている、Jポップと演歌の切っても切れない関係については、こちらを参照。

この「雨音」、レゲエ調の ♪ツッチャッ♪ツッチャッ というリズムに乗っていなければ、完全なる演歌ではないですか?
やはりどうしても、私たちはこういう調べにグッときてしまう。

しかしこのアルバム、シングル化された「Keep On JAMMIN'」などは親しみやすかったけど、小学生の頃から久保田さんを追いかけてきた私でも、さすがに濃いな……と思った。

今聴きなおすと、なんて贅沢なアルバム!と楽しめるのだけど。
(CD全盛期&人気絶頂だからこその作品だよなーと)


全米デビューアルバム「SUNSHINE, MOONLIGHT」収録曲

その後しばらく経ち、久保田さんは念願の全米デビューを果たした。
デビューアルバムは「SUNSHINE, MOONLIGHT」(1995)。
バラード多めのアルバム(私の判断では、14曲中8曲バラード)だった。

少し久保田さんから離れていた私も、もちろんチェックした。
一時期のレゲエ調やアフリカ調の久保田さんに比べると、どれも聴きやすいものだった。この頃の洋楽ヒットチャートにまじっても、違和感のないような。

あぁ久保田さん、全米に打って出たんだな……としみじみ思った。海外デビューへのハードルの高さは、今とは全く違っていた。

このアルバムの中で私が一番好きだったバラードが「Get It Together」。

アルバムの中で殊更に推されている曲ではなく、日本でのタイアップもなかったけど、なぜかこの曲が一番好きだった。切なくていいんだ。


ちなみにこの全米デビューの翌年に、あの「LA・LA・LA LOVE SONG」が誕生する。

「LA・LA・LA~」を聴くと私はドラマの名場面と共に、夢を叶えた久保田さんの、幸せそうな姿が思い浮かぶ。


その他、まだまだたくさんのバラード

久保田バラードの名曲は、まだまだたくさん。
紹介しきれなかったバラード達を、最後にまとめて。

Cry On Your Smile(1987)

とてもキャッチーなバラードで、支持多し。
後年CHEMISTRYケミストリーがカバーしてすごくよかった記憶があるんだけど、いろいろ調べても出てこない。何かの番組での1度きりのカバーだったのかな。


Love Reborn(1988)

アルバム「Such A Funky Thang!」収録曲。
「Indigo Waltz」に近いイメージで、壮大な雰囲気の大人のバラード。


Honey B(1991)

レゲエ調アルバム「KUBOJAH」収録曲。「雨音」と似ているけど、よりトリッキーなリズムが面白くて、私はこちらの方が好みだった。


Candy Rain(2001)

天海祐希さん主演ドラマの主題歌。
2000年代、久保田さんはドラマ主題歌を手がけることが多かったけど、正直惹かれるものは少なかった。でもこれは好きだった。
♪止まらない想いが…… というサビが印象的で、心地よかった。



止まらない久保田愛で、長くなりました。
どこか削ろうかと思ったけど、このままUPしよう。久保田さん好きな方に(もちろんそれ以外の方にも)届くといいな。


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