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オフコース愛を止めないで!【1】すごいのは小田和正さんだけじゃない。隠れた名曲「きかせて」で、その魅力にはまる
突然「オフコース沼」にはまった 1976年生まれの著者がお送りする、連続コラム【オフコース愛を止めないで!】
【1】すごいのは小田和正さんだけじゃない。隠れた名曲「きかせて」で、その魅力にはまる ←今回はこちら
【2】大ブレイクの5人時代。強すぎる「Yes-No」の歌詞と「さよなら」の本当の魅力
【3】80年代シティポップもあり?名曲、英語曲多数。聴かなきゃもったいない4人時代
【4】1982年解散騒動、伝説の武道館コンサートから40周年。改めて解散について考える
【5】NHK「若い広場」でみる、メンバーの素顔
突然、オフコース沼にはまりました
今年は、オフコースが解散して33年。彼らの伝説と言われる、1982年の武道館10日間コンサートからは、ちょうど40年。
1976(S51)年生まれの私は、リアルタイムのオフコースの記憶はゼロ。なのに最近突然、オフコース沼にはまってしまった。
30年来の小田和正さんファン
元々私は、小田さんのファンだった。
「東京ラブストーリー」が流行っていた中学時代からだから、けっこう年季が入っている。
小田さんの声、作る歌、あと常にチャレンジングな姿勢が大好き。
オフコースの楽曲は、有名なものはベスト盤などでチェックしていた。
定番だけど「愛を止めないで」「Yes-No」「YES-YES-YES」はその頃から好き。
でもオフコースそのものに関しては、全くリアルタイムの記憶がないので、あまり関心を持たずに、これまできてしまった。
はまるきっかけは、突然に
突然オフコース沼にはまったきっかけは、今年夏にテレビでやっていた小田さんの特集。とても面白い番組だった。
そこで、オフコースの武道館コンサートの映像が出ていた。
それをみてなんとなく、オフコースの曲ももっと聴いてみようかな…と思った。
思ったが最後(?) 昨今、サブスクやyoutubeでいくらでも聴けてしまう。
ベスト盤では聴けない数々の名曲を聴いたり、youtubeで圧巻のライブ映像を観たりしたら、あっという間にオフコース沼にはまってしまった。
* * * * *
隠れた名曲「きかせて」
最もはまったのが「きかせて」という曲。これまで知らない曲だった。
今まで知ってたオフコースのイメージと、違う!
これまで私の中でオフコースは「愛を止めないで」「Yes-No」のように、直球な強い曲のイメージ。
でもこれは違っていて、なんというか、大人な曲だ。イントロからせつない世界にどっぷり浸らせてくれる。
「きかせて」は、こんな曲
ダ ダン!と決然としたドラムで、曲が始まる。
静かに刻むキーボードとベースと、小田さんのききなれたボーカル。
物悲しくも美しいハーモニカ。繊細だけど徐々に重厚になるコーラス。
ただのせつない曲じゃなく、都会的で奥行きがあって、すごく洗練されている。キリンジの「エイリアンズ」に似ているかも。
こんな曲があったんだ、40年前に。オフコース、恐るべし!と思った。
アルバム「we are」のオリジナル音源も素晴らしいんだけど、ライブ映像をみると、さらにスケールが大きくて素敵。
CD(レコード)の方がいいのが、普通なんじゃないの?
これまた、恐るべし・・・!
鈴木康博さんの、魅力的な声
何度もリピートして聴きたくなるのが、鈴木康博さんのコーラスが入る部分。
♪帰るなら 早い方がいい 帰るなら 早い方がいいね…
小田さんとの掛け合いというかハーモニーなんだけど、鈴木さんのコーラスが低音も高音もつやがあって色っぽくて、あまりに存在感ありで。
サビで、小田さんのオクターブ下でハモるのも素敵。
今こういう声の人、いないなぁ、と思った。
ここ2,30年のJ-POPの男性ボーカルは、ミスチルやゆずに代表される、ハイトーンで、無垢な感じ。
シーンのど真ん中に、ずっとそういう声質のアーティストがいる。
もちろんそうでないボーカリストもいるけど、もはや主流はこっち。
小田さんの超個性的なハイトーンボイスは、そのはしりだったのかもしれない。私もそういう多くのアーティストに馴染んできたから、鈴木さんの歌声はとても新鮮だった。
鈴木さんに似ている声は、誰?
こういうつやのある感じの声、少し前なら、石井竜也さんとか藤井フミヤさんとかもいた。でも鈴木さんはそこまで個性的というか、癖のある感じではない。もっと正統派な感じ。
一番近いのはジュリー(沢田研二さん)かなぁ。あまり多くの曲を知らないけど。
小田さんとは全然違う声だったんだな。なのにすばらしい相性。
「きかせて」を聴いてほしい。
ファン以外にはあまり知られていない、隠れた名曲。
「きかせて」、もっとたくさんの人に聴いてほしい。
オフコースライブ盤。「きかせて」は未収録だけど、オフコースのライブの素晴らしさがよくわかる ↓
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2分でわかる、オフコース基本情報
オフコースは1980年前後に一世を風靡したバンドだけど、リアルタイム世代以外には、詳細はあまり知られていない。
長年の小田さんファンの私でも知らないことが多かったので、ここで基本的な情報を、ごく簡単に説明する。
二人の中心人物
1970年のデビューから1989年の解散まで、メンバーと人数は何度か変遷しているが(次項参照)
小田和正さんと鈴木康博さん、小学生時代からの幼なじみであるこの二人を中心とした音楽グループ、というのがひとつ。
中心だった鈴木康博さんが1982年(正式には1983年)に脱退するのだが、それにまつわるあれこれについては、次回以降少しずつ考察していきます。
メンバー数の変遷
メンバーと人数は、下記のような変遷をたどっている。
※敬称略。年は、Wikipediaを参照
①アマチュア時代~デビュー直後(1972以前)
小田和正・鈴木康博を含む3人、4人など
②2人時代(1972-1976)
小田和正・鈴木康博
③5人時代(1976-1983)
小田和正・鈴木康博・清水仁・大間ジロー(仁世)・松尾一彦
※3人の加入は正式には1979年とWikipediaにはあるが、参加は1976年から
④4人時代(1983-1989)
小田和正・清水仁・大間ジロー(仁世)・松尾一彦
サウンドの変遷
あくまで個人的見解で、ものすごくざっくり言うと
2人時代 ⇒ フォーク
5人時代 ⇒ シンプルなロック
4人時代 ⇒ エレクトリック入ったロック
ヒットシングル・アルバム
2人時代
(シングル)
「眠れぬ夜」
5人時代
(シングル)
「愛を止めないで」「さよなら」「Yes-No」
「言葉にできない」「YES-YES-YES」「I LOVE YOU」
(アルバム)
「Three and Two」「We are」「over」「I LOVE YOU」
4人時代
(シングル)
「君が、嘘を、ついた」「君住む街へ」
(アルバム)
「The Best Year of My Life」「Back Streets of Tokyo」
特に5人時代は、1980年頃~1982年の短い期間に、ヒットシングルとアルバムを連発している。
オフコース愛は止まりません
本コラムのコンセプトは
1976年生まれ著者の
「リアルタイムでない世代からみたオフコース」という視点で書くのが、本コラムです。
2人時代、あるいはアマチュア時代から応援している昔からのファンの方々から見ると、大雑把だったり偏っていたりするところもあるかと思いますが、しばしお付き合いいただければ、幸いです。
そして、以前の私のように、小田さんは好きだけどオフコースのことはよく知らない、という方にもぜひ読んでもらいたいです。
語りたいのは、どのオフコース?
私の全く個人的な好みでいうと、フォークはあまり得意ではない。
2人時代の曲は、「僕の贈り物」「愛の唄」など素敵だなと思ったものもいくつもあるけど、あまり聴き込んではいない。
2人時代のオフコースの楽曲は洋楽の影響を強く受けていて、フォークといっても、70年代に日本で大流行した「四畳半フォーク」とは一線を画したものだったことは、理解している。
それでもやはり、私が子どもの頃からふれてきた、賑やかなJ-POPとの差が激しすぎるので、耳がなじまないところがある。
世代というより、個人的な好みもあるのかもしれない。
(同世代でもフォークっぽい人たちいるけど、そんなに好みじゃないし…)
そういうわけで、これから語りたいのは「5人時代」と「4人時代」のオフコース。
次回もぜひご覧ください。
(2024/11 更新)
小田さんの評伝「空と風と時と」を読み、いろいろと認識を新たにしました。こちらのレビュー記事も、ぜひあわせてご覧ください。