日記 なにかしらの看板娘
7/16(火) 日記
大学生のコウヘイくんが体調不良とのことで、急きょパン屋のシフトに入る。
予定日より一週間強遅れで生理が来て下腹がずんと重かった。
ここ最近は常に生理の周期が乱れているのだけど、それにしたって一週間以上ずれることは珍しかった。月の半分PMSの症状が出ている気がして腹が立つ。
二年前に買った妊娠検査薬が一つ残っていた。
箱の側面を見ながら、この棒の使用期限は二年程度なんだなとぼんやり思う。
面白そうな方を選ぶことはやめない。でも誰かを傷つけるかもしれない橋は渡らない。当たり前。
パン屋の仕事を粛々とやる。
常連のお兄さん（ルックスがとてもタイプ）が今日も来る。
毎日のように来ておそらく夜ご飯であろうパンたちを買って帰るのだけど、さすがにグルテンの摂取量が心配になる。
お兄さんと目が合い、「あ、」と小さい声で言ってから笑ってくれて嬉しかった。
誕生日の前日にシフトに入った際、私明日誕生日なんです〜と図々しく自己申告したら次に会ったときにプレゼントをくれた。
あまりにもびっくりして、は？普通に恋だが？？？と思った。
ちなみにプレゼントはゴディバの焼き菓子セットとありとあらゆるチョコレート。
本当に、チョコレートのみのラインナップ。端から端までぜんぶチョコ、面白すぎる。
同じく常連の美容サロンを経営してるお姉さまにも誕生日を申告済み。
お姉さまも後日プレゼントをくれた。
私シャネルが好きだから独断と偏見でシャネルにした〜と言っていて、開けてみたらゴールドラメのグロスだった。可愛い〜〜
もらってから毎日くちびるがキラキラ。嬉しい。
ただの顔見知りの店員にまで心を配れるなんて、なんて素敵な人たちなんだろう〜〜
奥さんに聞いてください〜と報告したらさすがアニーだね❤と言われ、どう考えても私ではなくお兄さんとお姉さまの優しさと気遣いだねぇと思った。
し、誕生日は自己申告してなんぼだなとも思った。
毎日違うことが起こってほしくて、だとすると私はやはり現場が向いてるんだろうなと思う。
もしかして私の天職って看板娘なのでは？看板娘。なにかしらの。
続、パン屋の仕事を粛々とやる。
厨房でピザの仕込みをしていたら、お洒落なお兄さんがトレイを持ってレジ前に立っていて慌てて向かう。
レジまでのストロークでかなり凝視されるも、気にせずにお待たせしました〜と笑顔を作る。
トレイを受け取ろうとしたら「あの、アカネさんですか、、？」と言われ、目が点。
確かに私はアカネさんではあるが、本当に全く全然見覚えがなく、おぉ、えっはい、、？と曖昧な返答をしてしまう。
お兄さんはすみません突然、怪しいものじゃなくて、とあたふたしていて、いやこの状況で怪しくないパターンって結構難しくない？とウケた。
ホノカ分かりますか？○○ホノカ！と言われるも、私の知っているホノカとは名字が違う。
が、そういえば私が知っているホノカの名字は旧姓で、結婚後の名字は今彼が発したものだったことを思い出す。
僕ホノカの元同僚で。この辺りに住んでるって話を彼女にしたらそこら辺のパン屋で私の友達のおもしれ〜女が働いてるから見つけてこい、というミッションを課されて、とお兄さん。
結果、ラブな友達・ホノカの知り合いだった。
「ホノカの知り合い」というだけで完全にガードが緩む、ホノカの人間性の賜物。
「夜遅くまでやってるこの地域のパン屋」という情報だけで1.2ヶ月探していたらしい。激ムズ謎解きゲームじゃん。
ちなみにこの区はパン屋激戦区なので死ぬほどある、きちんと見つけ出せてるのウケるな
僕ホノカにnoteも送ってもらったんでそれも読んでて、と言われ、今目の前にいる初対面の殿方はすでに私のキモい部分もダサい部分も知っているということ？と思ったら面白くなり、あんな、あんなヤバいものを、、！？と言ったら笑っていた。
ストーカーみたいっすねごめんなさい、ていうか声かけたあとのこととか全然考えてなかった、気づいたら声かけちゃってた、と困った顔で笑うから私もつられて笑った。
これ日記に書いたらこの人それ読めちゃうよな〜と思った。が、書く。
今度ホノカも含めてご飯でも、と約束をしてお兄さんは帰っていった。たくさん来てください〜と後ろ姿に手を振る。
人生、おもしれ〜ことたくさんあるな〜と思いながらコーヒーメーカーを片していたら、盛大にコーヒーをこぼしてバッド。
じゃあまたと手を振りながら今までに果たされなかったまたを数える #tanka