日記 とわ子の顔をする
10/13(日)
前日は弾丸で新潟に行っていた。行ってよかった。
10代後半〜20代前半の大半をライブハウスで過ごしていて本当によかったなと思ったし、20代半ば〜後半を(仕事として)劇場で過ごせて本当によかったなとも思った。そういえばずっと好きなものの近くにいる。
前日の疲労からか、本当に一日中眠くて眠くて仕方なかった。ねむねむ侍。
ちょうど連絡を取っていたアズサちゃん(ウルトラビューティーおとぼけチャーミング母)にねむねむ侍すぎるよ〜と告げる。眠い顔のエビフライのスタンプが届いた。
美音ちゃんの日記を読んでいたら「ヒュプノスがやっとこさ私を手放し」と書かれていて打ち震えた。圧倒的な教養の差。なんて素敵な一文。
私がねむねむ侍〜!と切れもしない刀を振り回してる傍ら、美音ちゃんはヒュプノスの手をそっと放していた。同じ状態を表した言葉とは到底思えない。ごめんねむねむ侍、おまえの出番はもう来ないかもしれない。私もヒュプノスに添い寝してもらいたい。
ねむねむ侍が刀を振り回すのにも飽きた頃、やっとのそのそと支度を始める。
新宿武蔵野館に『佐々木、イン、マイマイン』のリバイバル上映を観に行く。大好きで大好きで、公開時は映画館で3回見た。
当時の自分のFilmarksを読み返したら↓このように書いてあって、
直近で観た『HAPPY END』も大枠で言えば似たようなことを思った。
4年ぶりに観た佐々木、やっぱりどうしようもなく眩しくて痛くて愛おしくてず〜〜っと泣いてた。
あのカラオケのシーン、私だったら絶対に走馬灯に入れる。
映画後、ふわふわした気持ちで最寄りまで戻る。
ここ最近はコインランドリーに日記を見に行ってから帰るのが日課になっていて、今日も金木犀の匂いに包まれながらコインランドリーに向かった。
日記を置き始めて2週間、着々と近隣住人の日記が集まりつつあってとても嬉しい。
みんなそれぞれ人生やってんだなという事実に毎回グッときちゃうな、、
その日の日記を書きつつ前の人の日記にコメントしたりする人も多くて、やはり最高な企画を立ち上げてしまったかもしれない。
10/14(月)
ナツミ(とにかく顔面がいい限界オタク、誕生日プレゼントに宇宙をくれた)と上野の博物館にデカい骨を見に行く。念願の!デカい骨!
ナツミは今日もそれはそれは麗しかったのだけど、腕に貼ったはずのタトゥーシールがなぜか顔に転写された状態で現れて本当に本当に意味がわからなかった、呪印?
あまりの面白さに顔を合わせた瞬間ふたりしてげらげら笑う。
絶対に日記に書いて!!!!!と大笑いしながら言われ、いやこんなの書かざるをえないだろと思った。書いたよ。
こんなときに限って髪を全部あげてきてしまったのだけど、どうしても朱音に顔面タトゥーを見せたくて髪を下ろさずにこのまま来ました!と高らかに宣言された。
ちょっとさすがにおもしれ〜女界隈のプリンセスだねと言ったらいや私はあくまでも王子側だ、いつも姫顔してるのは朱音だと言われる。
もしかして私って仲良したちに向かって常に姫顔してるの?ヤバ女じゃん
博物館にはデカい骨だけでなくデカい諸々が無数にあった。デカい諸々と精巧な動物たちと地球と人類の軌跡。
630円でこんなに満足できるなんてそんなことがあっていいのか?と何度もふたりで顔を見合わせる。
私は恋愛がしたいというよりも絶対的な安全地帯がほしいんだ、という話。
この話最近ずっとしてる、たぶんめちゃくちゃに感情が揺れてる。
ナツミが、私がとりあえず自分のことだけを考えられるようになったのは母親が再婚したからだと言っていてすべてが腑に落ちた。し、とてつもなく分かるなと思った。
私が今手放せないでいる果てしない無力感と立てなくなるほどではない(けど着実に蓄積されていく)絶望は、私自身というよりは私を取り巻く環境に付随してるから。私はきっとこれからもこうやって日々をやる。でもそんなのみんなそうか〜
あの頃のナツミの世界と自分への苛立ちは相当なものだったから、そこから少しでも解放されたのなら本当に良かったと心から思う。
今日で8ヶ月なんだよねと言ったらえ、私もばあちゃん亡くなったの14日だ、今日でちょうど2ヶ月、とのことだった。な〜〜〜んか分からないけど心強かった。
ただ、どんなに真面目な顔で話しててもナツミの左頬には呪印(しかもフランス語か何かで「完全無欠」と書かれてるらしい、強すぎる)があるんだという事実が面白すぎて、定期的に膝叩いて笑った。いい日すぎる。
次はきれいな海に行こうねと約束して解散。
健やかでいてほしい人がたくさんいるな、もう会わなくなってしまった人も含めて。
10/15(火)
ヘビーな仕事があり、気づいたら始まることはすべて終わる、、と呟いていた。おまじない。いつもは有限の壁にぶち当たってるのに。
パン屋の店内BGMを勝手に私好みの曲たちに変えてみたら分かりやすくモチベーションが上がって良かった。
キリンジが数曲続いたあとにPresence Ⅰのイントロが流れ、その瞬間から大豆田とわ子の顔して働いた。私には三人の元夫がいますという顔。
秋隣 寂しくないときなんてない月がデカくて舌打ちをする #tanka