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日記 胡散臭くない方のおじさんとクソみて〜な月
9/22(金) 日記
ラブな元同僚・タナダさん(仮名、スナックやる話が本格化してきた)から、「映画館、停電してます」と連絡が来た。
見たい映画が同じだったタナダさんを誘い、映画館に向かってる途中だった。
停電????と思っていたら続けざまに
「ビル自体が停電してます。
ヤバいです ヤマザキさん(仮名、その映画館の支配人で前職の先輩。マブ。)が」
と来て、不謹慎ながら笑ってしまった。
不測の事態に陥るたびに「ウケる〜!むりだが〜!?」とゲラゲラ笑い転げていたミニシアター支配人時代の自分を思い出した。
人間、どうすることもできないと膝叩いて笑うしかなくなる。
とりあえず映画館に向かうと、確かにビルごと真っ暗になっていた。
後から分かったことだけど、水漏れが原因で電気室がやられてしまったらしい。
結局その日は休映になり、ヤマザキさんは朝まで復旧対応に追われていた。
「膝叩いて笑った?」と聞いたら「天を仰ぎながら笑ったね」と返ってきた。ウケる。
このあとどうしましょうか〜と言いながらやってくるお客さんたちにさも映画館スタッフかのように停電&休映の説明をしていたら、謎の映画好きおじさんと仲良くなった。
おじさんはフリーの編集者でやたら映画に詳しく、山下敦弘監督のことを「山下くん」と呼んでいた。
監督をくん付けで呼ぶ人、明らかに胡散臭い。
これから知り合いのバーでやるインディペンデント映画のイベントに行くと言っていたので、私たちも付いていくことにした。(財布の中に320円しか入ってなかったので一旦おじさんとは別れたけど)
私ひとりだったら絶対に行かなかった(基本的に好きな人間と好きなものにしか時間もお金も労力も割きたくないので)けど、タナダさんが「面白そうですけどね」と呟いていたので行くことにした。
結果、とても楽しい夜になった。
胡散臭いと思ってたおじさんも普通にイイおじさんだった。
先に店に着いてカウンターに座っていたおじさんに声をかけたら、「本当に来たの?格好いいねきみたち」と驚かれた。
「その辺のチャラチャラした女の子だったら行きます〜って言って結局来ないよ」と言われ、私はどちらかと言うとそのチャラチャラした女の子側の人間だよ〜と思ったけど黙っていた。
おじさんとの会話はほとんど映画のことだったのだけど、帰り際に「あ、〇〇(私たちと同年代の女優)からライン来てる」と呟いていて、数時間通して私とタナダさんの食い付きがいちばん良かったのがこの瞬間だった。
ふたりしてあからさまに「え、めっちゃいいな、私好きなんですよ〇〇さん」とキャッキャしてたのだけど、おじさんちょっと引いてた、我々の必死さに。
おじさんと別れたあと、「私とタナダさんと〇〇の3人で飲んだら絶対に楽しくない、、!?」「絶対楽しい、3人で人生の話しましょうよ」と新宿の真ん中で盛り上がった。
なぜか分からないけど絶対に気が合う確信があった。会ったこともなければ会う予定もないのに。
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駅までの道中、私が近況を話しつつ「やっぱり誰かに心を預けていいことなんてひとつもないんですよ」と言ったら「暗っっ!!」と大声で笑われてとてもよかった。
タナダさん史上いちばんデカい声だった、あんたも大概暗いのに!?と思いながら、「ですよね」と私もゲラゲラ笑った。
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いつの間にか涼しくなった、靴下を履くのが面倒でサンダルで出てきたら足先がつめたい。
9月、あまりにもいろいろあったな、、と思ったら大殺界の月だった。
中殺界の年の中の、大殺界の月。クソみて〜な月じゃん!!!!!!!!!
(前半はいいことばかりでした、半分はクソみて〜だったけど)
吊り革が滲んで見えて脳内で慌てて流すマツケンサンバ #tanka