私が 2 人目を産めない理由ー産前産後の3つの壁ー
つい先日、我が子が生後1ヶ月を迎えた。出産前は無邪気に「兄弟がいたほうがいいよねー。」「2人目も欲しいな〜」と思っていたのだが、今はそんな自分を殴ってやりたい。妊娠、出産、育児(まだ1ヶ月だけど)を経て、2人目を産むことに対して大きな壁を感じるようになってきた。そして、その壁がどこにあるのかが冷静に見えるようになってきたので、備忘録として残しておこうと思う。少子化対策に関わっている政治家の方々には、ぜひ読んでいただきたい。どうやったら届くのかはわからないけども。
2人目を産むために立ちはだかる壁は、大きく3つあると思っている。それは、「妊娠の壁」「出産の壁」「育児の壁」である。
まず、「妊娠の壁」。ここが一番期間が長いので、時期によって細分化する。
【妊娠前:毎月のガチャに絶望】
子供が欲しい!と思ってからは、「月のもの」あたりにトイレで股に血がついているかどうかを確認するのが恐怖で仕方がなくなる。毎月訪れるガチャ。そして外れる絶望感。自然妊娠の場合、無料ガチャなので外れても「あー、やっぱだめかぁ」くらいで済むだろう。しかし、不妊治療の場合、超高額課金しているわけなので、それでは済まない。毎回外れる度に、また新たな課金と腹に注射を刺すなどの修行が必要になるわけで絶望は計り知れない。
【妊娠初期:匂い悪阻地獄】
初産の場合、そもそも悪阻がどんなものか分からないので、「これ、悪阻なのか?」という謎の不快感に悩まされ続ける。私の場合、とにかく匂いに異常に敏感になってしまい、人混みに出るのが恐怖で仕方なかった。香水の匂いが特に苦手になったので、若い女の子を見ると、まるでRPGで敵を避けるようにとにかく回避して歩いていた。渋谷ダンジョンは難易度鬼。
あとは、兎にも角にも流産が怖い。2週間に1回とか病院にいって、内診してもらうまで常に不安が付きまとう。家でなんか風呂上がりとかにぱっと確認できるツールとかあればいいのに。そして、その不安があるから、会社や周りの人にも妊娠報告できず、体調悪いのに普段通り働かないといけないのがまた辛い。
【妊娠中期:不安祭り】
この頃になると、肉体的にはだいぶマシになってくる。一方で、精神的な不安に襲われることが増えてくる。たとえば、健診が 4 週間ごとになるため、約 1 ヶ月の間腹のなかで胎児が生きているのか死んでいるのか分からない状態が続く。また、出生前診断の結果を聞くのは、大学入試の合否発表なんかより数百倍緊張する。余談だが、私の場合、妊婦健診で B 型肝炎の検査で陽性が出てしまい、精密検査になったのだが、その結果を聞くときもかなり不安であった。
【妊娠後期:重い腹with臨月メンタル】
とにかく腹が重い。その一言に尽きる。安産のために、「たくさん動け」と言われるのだが、とにかく腹が重い。寝るときも容易に寝返りが打てず、夜中 2 回は目が醒める。
また、臨月はホルモンの関係でイライラしやすいらしく、里帰りという環境変化と合わせてメンタルを保つのに一苦労。
次に、「出産の壁」がある。この詳細及び考えうる解決方法については、詳しくは以前書いた記事を参照いただきたい。まとめると、とにかく精神的&肉体的にかなり負担を感じたということになる。
最後に、「育児の壁」。これについては、まだ新米親1ヶ月生なので、出産直後の入院中のことについてのみ言及したい。私のお世話になった病院では、出産直後から「原則母子同室、面会ほぼ全面禁止、授乳指導毎回あり」という方針だった。つまり、帝王切開という手術直後の身体でいきなり 2 4時間ワンオペを強いられるということである。「母親になったんだから甘えるな!」ということなのかもしれないが、あえて反論したい。
シングルマザーあるいはファザーでない限り、家では育児は 2 名以上の体制で行われるはずである。それなのに、入院中はワンオペで母親だけが育児を学ぶのはなぜなのだろうか。入院中にプロの助産師さんから直接指導を受けた母親が家に帰って、「旦那が何もできない!」と不満を抱くというケースをよく見るが、そうなるのは当然だろう。これは全員にとって不幸ではないだろうか。出産直後というもっとも休息が必要なときにとれない、このシステムが変わらない限り、2 人目を産むのには相当腰が重くなる。
また、些細なことと思われるかもしれないが、毎回の授乳指導がかなりのストレスだった。私が特殊な例だったのかもしれないが、帝王切開後の大量出血で貧血のため乳がうまく生成されず、かつ緊急搬送で出産直後からしばらく児と離れ離れのため、児の初めての乳は母乳ではなくミルクだった etc 色々あり、児が母乳拒否状態。そんななか、嫌がる児に無理やりにでも乳をやらないといけないのが、精神的に辛かった。出産前は、人のおっぱいってプライベートなもので見てはいけないものだったはずが、出産後、急にいろんな人に見られて触られることに違和感と不快感を覚えてしまったというのも正直ある。
とまぁ、長々とここまで書いておいて、最後に言うのもなんですが、数年後には「喉元過ぎれば熱さを忘れ」て、ケロッと2人目産むわ〜ってなってるかもしれません。第一子、超絶に可愛いし。
その時には、ここで書いた壁が一つでも少しでも低くなっていて欲しいなと願うばかりです。もし、一部でも共感してくださった方がいれば、「スキ」していただけると嬉しいです。少子化担当大臣に届けるためにも。
2023.9.10 ぎょうざ
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