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生きることについて。Vol.1  谷川俊太郎「生きる」風日記自由型

生きるということ

暗闇を走り続けるということ。

渇いても、転んでも
笑われても、嗤っても、走り続けるということ。

かじかんだ手を、震えながら温めるということ
鼻先を赤くして、冬の冷気を曇らせてみること。

ずれ始めていた歩幅に気付くということ。

あなたの眼はもう私を映していないと知ること。
それでもまた、明日が来るということ。

美しいものに戦慄するということ

自分も他人も何もかもから逃げて、
もう歩けなくなって、立ち尽くす今日に
どうしようもなく夕焼けがきれいなこと。

誰かの口癖を、そっと使ってみるということ。

好きだった歌、映画、あの人
すべて忘れてしまうということ。
それでもまだ、息をしているということ。

大切なものたちとお別れしたけれど、
まだ一緒に生きているということ。


走り終えてもなお、歩き続けるということ。 ※



※最後の一節はstrides/小袋成彬 より参考


あとがき: この日記の経緯

谷川俊太郎さん有名な詩に「生きる」というものがあります。

生きる
                             谷川俊太郎 

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

写真詩集 生きる 全文

ほんとすばらしい詩です。
そして、この詩には世代を超えて愛され、
2007年には、当時はやっていたSNS「mixi」(時代を感じます)
において「生きる」コミュニティができたそうです(今でいうスレッド?)

ルールは簡単。谷川さんの詩にならい、「生きるということ」に関する自分なりの思いを「~ということ」という定型文に乗せて箇条書きで投稿していくというもの。
それを選出、再構成したものがこの本です。

先日、友人に会いに向かった富山のある古本屋さんで偶然この本に出会いました。なんか、それまでなんとなくモヤモヤした生活を送り、不感症になっていた自分にはもんげー刺さりました。
ほんで、自分も…と軽率にスマホのノートに書き始めたところ、

これ、とまらんな…。

「~ということ」のフォーマットの汎用性のおかげか、
自然と溢れてくるものからちょっとカッコつけて書き出すものまで、
どんどん出てきます。ずっと、というよりちりつも的なアレですが…

ということでせっかくだし載せてみたのがこの記事です。きっとこれからちょいちょい続くだろうしダブりも出てくるだろうけど、日記みたいなもんだと思ってまぁ読み流してくだされ。

ちなみに、僕が大好きな曲でLet's go!/Original Love があるのですが、恥ずかしながら、前述の本を手にしてようやくその歌詞が谷川さんの「生きる」からきてることを知りました。こちらもよすぎるのでぜひ。オリジナルラブのトリビュートアルバムで椎名林檎もカバーしています。


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