病院の怪談~入院した8歳の僕に父から届いた、恐怖の贈り物~
福岡県大野城市立大野小学校3年生だったころ、不肖は生まれて初めて入院しました。
帰るときに校門の上へふざけて座っていたところ、ランドセルの重みで、約2メートルの高さから落下。左手で地面に手をついて、肘を骨折したのです。
さて、大野城市内の病院に入院が決まった僕の見舞いに、仕事を終えた父が来ました。そしてお土産をくれたんです。
西鉄白木原駅前の本屋の安っぽい紙袋から見えたのは「少年少女講談社文庫」の背表紙でした。
激痛に耐え、薄暗い病室での心細さを紛らわすために、本を買ってきてくれたんです。ありがとうお父さん。
題名を見て、僕は仰天しました。
「君は何がこわい? おばけとたましいの話」
コラーッ!
なしてこげな本ば買って来たと?
不安な子供を怖がらす本を選んでどうするとね!!
口絵に血の涙を流す妖怪が描いてあったのを、今でも鮮明に覚えています。
もらったものを突き返したのは、後にも先にも生涯このときだけであります。
最近になって、どんな内容だったのか気になり始めました。
やっぱり、もらって読んどきゃよかったかな。