初めてのお使い~洗濯糊を買いに行った僕が持ち帰った、意外なものとは?
息子が小学校2年生だったころのお話。
翌日の算数で使うということで、コンパスを買いに行ってまいりました。 文具売り場でめでたく購入してまいりました。
「めでたく」と書いたのには理由があります。
記憶する限り、不肖が生涯初のお使いに買ってくるよう頼まれたのは「洗濯糊」でありました。
福岡県大野城市の県職員住宅400棟に住んでいた不肖は、意気揚々と出掛けました。
歩いて3分の「青木商店」通称「あおきみせ」へと着いた不肖。
おばちゃんに「不肖君、何を買いに来たと?」と問われました。
ハッ。僕は、何を買いに来たのか忘れてしまったのです。
青木のおばちゃんと問答を繰り広げるうちに、何となく液体だったことまでは思い出しました。
どこでどうなったかは謎ですが、不肖が持ち帰ったのはファンタオレンジでした。一体なぜ洗濯糊がファンタになったのか、今でも本当に不思議です。
洗濯物を糊づけしようと待ち構えていた母の、怒るまいことか。
僕から瓶をひったくると、洗面台に向かって捨てました。渦を巻いて拙宅から流れていく黄色い液体は、今でも鮮明に脳裏にあります。
僕はどう言い訳したのか、その後に糊を買いに行ったのは母か僕か。数年前に帰省したとき聞いたのですが、
「アンタと違って、いちいちそんなこと覚えとらん」
とのことでした。
ハハハ、そりゃそうだ。
1972年(昭47)の出来事。福岡県大野城市の大野幼稚園、年長組「ほし組」所属だった、6歳のころの話です。