心理検査~機械に性格を否定された日:21歳の僕 vs. コンピューターが激突
拙宅を整理していると、タンスから何とも忌々しいものが出てきました。1988年(昭63)3月8日に受験した
「コンピュータによる OD式安全性テスト診断書」
です。
そのころ不肖は、京都市内の自動車学校に通っていました。入学早々に運転の適性テストを受けたのです。たぶん絵を見て何に見えるかとか、そういったものでしょう。何の気なしに答えを書き込み、提出したのだと思います。
実施は(株)電脳附属交通安全研究所。「監修指導」の欄には「頭の体操」シリーズで有名な千葉大学の多湖輝教授の名前も見えます。
返ってきた結果を見て、不肖は仰天しました。
<総合診断>
「あなたの性格はいろいろな特徴を持っていて、普通の人に比べて少し複雑です。そのときどきによって、さまざまな面を見せるやや多面な性格です」
まあ、とりあえず聞いておこう。
問題はここから。
「しかしどちらかといえば、わがままな性格です」
「少し常識はずれな面があり、他人への思いやりに欠ける点があります」
「いつも自分が一番正しいと思いがちです」
「事故を起こしやすいタイプですから、くれぐれも気をつけてください」
何だと。
機械の分際で何を偉そうに!
ちゃんと他人も思いやっているぞ!分からん相手が悪いんじゃ!と紙に向かって毒づきました。
ここでハッと我に返りました。
こんなことを書かれて「ハイそうですか」と認めるつもりは毛頭ない。
(1)だからこの検査結果は間違っている。
(2)つまり、僕は正しいと思っている。
(3)ということは「いつも自分が一番正しいと思いがち」という無礼千万な指摘の思うつぼになりはしないか。
ジレンマに陥った不肖は、悔しさに身をよじり続けました。
当時の僕は、大学3回生の授業を終えたばかりのころ。生意気盛りの21歳。
友人たちが、この結果に手を打って喜び
「よくぞ言ってくれた」
と騒いでいたのを覚えております。
機械も人間も間違っている。
どいつもこいつも間違っとる!