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行政書士ウォッチャー桂木晴一です

ご挨拶

まずは何よりもご挨拶を

皆様こんにちは。素人小説家兼行政書士ウォッチャーの桂木晴一と申します。お初めましての方もいらっしゃるでしょうし、X(旧Twitter)の方で私の投稿をご覧いただいた方もいらっしゃることと思います。
私は、行政書士として開業し、天国と地獄を見ました。その行政書士の開業と失敗のブログが必要なのではないかと思いまして、このブログを書くことを思いつきました。

行政書士を目指されている方々へ

行政書士という資格は、かつてその本来の価値とはかけ離れた高評価を受けていた時期があります田島隆という人が原案を考えた『カバチタレ!』という漫画で、スーパー法律家のように描かれたためです。
法律家になりたいけど、自分が司法試験に受かれるとは思えない。だけど漫画(あるいはドラマ)を見る限り、比較的手が届きやすい行政書士という資格があるらしい。だったらそれを目指してみようか…そう考えた人が膨大な数に上ったのです。
行政書士を目指されている皆様、行政書士は法律家ではありません。事務代行業です。このことはまず、はっきりとお伝えしておきたいと思います。
田島隆という方は、高校の途中で家庭が赤貧状態となり、やむなく高校を中退、その後いろいろな仕事を経験する中で司法書士の補助者の資格を得たところから法律資格に興味を持ち、行政書士と海事代理士の資格を取ったそうです。それ自体は、立派なことだと思います。
しかし、行政書士という資格を、まるで法廷には立たないだけであとは弁護士と同じというようなスーパー法律家であるかのように描くことは、自分が持っている行政書士資格の価値を暴騰させて儲けようというインサイダー取引みたいなものだと、私は思います
田島さんはわかってやっていたんだと私は思います。田島さんは海事代理士という資格も持っています。海事代理士というのは「行政書士に任せていて良いほど軽微な資格ではない」という理由で行政書士から切り離された資格です。専門性が高くなるほど面白いと仮定するなら、海事代理士を主人公に据えた方が面白いはずなのです。
にもかかわらず田島さんは行政書士を主人公にしている。この事実について私はこう考えています。漫画『カバチタレ!』では、主人公の田村(でしたか?)が、不倫や援助交際、痴漢冤罪など様々な事件に当たって弁護士さながらの交渉代理を行っています。もちろんこれは非弁行為(弁護士ではないのに弁護士の業務を行う犯罪)に該当する違法行為だと私は思います。こういう行為を行わせるのに、海事代理士が主人公だったらどうでしょうか。
海事代理士は、どんな仕事をするのかよく知っている人は少数でしょうが、少なくとも海関係の仕事をする人であるのは字面を見れば誰にでもわかります。そんな人が海関係の仕事は全くやらずに不倫や援助交際、痴漢冤罪などの仕事ばかりしているのは明らかに不自然でしょう。
その点、字面からは何をやっている人なのかよくわからない行政書士という資格は、フィクションのネタにするには最適の、何色にも染まる無色透明な資格でした。これをネタにしたということは、やはり田島さんは最初から行政書士を誤った色に染めるつもりだったと思うのです

第2の行政書士ブーム

『カバチタレ!』によるブームもそろそろ収束したかな、という段階で、第2の行政書士ブームがやってきました。
司法試験は、易しくなったと言われてはいますがやっぱり難しいものです。司法試験に向けての勉強中に諦める人や、規定回数分(現在5回)受験して合格できなかった人が、行政書士を取りに行くケースが増えてきたのです。
それ自体はなんの問題もありません。ただ、せっかく法律の勉強を一生懸命やったのに、取りに行くのが行政書士ってもったいないなあとは思います。
しかし考えてみますと、法律系士業で他の資格と言いますと、弁護士と並ぶ難関と言われております公認会計士、司法書士、税理士など「法律資格かな?」という若干の疑問が残ります。弁護士に向けての勉強『だけ』で合格できるのは行政書士ぐらいなのでしょう。
こうして弁護士に向けての勉強に挫折した人たちは、順調に勉強してきても20歳代後半になっており普通の就職はできそうにありません。だから他の法律資格を検討するんだと思います。そして行き着く先は行政書士。
特にそういう方が女性でちょっときれいな方ということになると、各資格予備校が放っておきません。看板講師としてサイトに載せるために争うように契約します
ロースクールをドロップアウトした人でない限り、例え司法試験合格という結果は得られなかったにせよ「法務博士」という何やらすごそうな肩書きはもらえます。これが、各予備校の行政書士講座で華々しく謳われるわけですね。
そして、資格予備校と言えど商売です。受講生が増えてくれればこんなにありがたいことはない。というわけで、こういう法務博士センセーに「行政書士はあんなこともできる資格ですよ、こんなこともできる資格ですよ」と広告させるわけです。
言っておきますが、こうやって喧伝されている「行政書士ができる業務」には極めて法律違反に近いものや、逆に資格なんてなくても行える業務がたくさん含まれています
行政書士のことをスーパー法律家だと一般の方が勘違いしてくれたら儲かるのは何も田島隆さんだけではないということです。そういう人たちに関しては追々語っていきましょう。

資格ビジネスに騙されないために

やはり基本的には現在の日本が不景気であるということに根本原因があるんだと思いますが、もうずいぶん長いこと日本は資格ブームです。
しかし、勘違いしてはいけません。資格を取れば自動的に仕事が寄ってくるわけではなく、行政書士のような独立開業型資格では登録・開業後、営業をかけて仕事をゲットするという難題が待っています
資格通信講座のパンフレットなんか見ますと、本当にどうでもいいような資格がお勧めされていたりしますし、そういう資格でガッポガッポという夢がまるで現実のように語られていたりします
あり得ません。資格というのはまずこの仕事がしたいという希望がありきであって、その仕事をするのに必要または有利であれば取得するべきものです。やりたい仕事でもないのに合格証書を集めても何の意味もありません。
まるで資格のひとつも持っていないと社会人失格であるような勢いで語る人もいますが、資格なんて持っていなくても仕事ができる方はたくさんいらっしゃいます。むしろ逆に資格に頼らないといけない人こそが仕事ができないと言い切ってもいいんじゃないでしょうか
「この資格を取りさえすればバラ色の生活」と思ってしまってはいけないということです。

今回のまとめ

今回は第1回目ということもあり、割と大枠に則った話をしました。今後じっくりゆっくりと、微に入り細を穿ちいかに行政書士という世界が歪んでしまっているかということをお話ししていきたいと思います。
なお最後に宣伝となりますが、私はココナラで行政書士に関する相談を承っております。
↓30分バージョン

↓60分バージョン

私は基本的に、耳に心地よいようなお話は致しません
いい話ばかりを聞いて「よ~し、やったるぞ~!」という気になってしまったばかりに痛い目を見てきた人をたくさん知っているからです。
あなたが、私の話を聞いて「諦めるか」と思うか「それでもやってみたい」と考えるか、今の段階では私にはわかりません。
しかし、もしあなたが「それでもやってみたい」と思うのならば、私は必ず役に立つアドバイスができると考えております。

また、小説なんかも書いております。

こちらもぜひよろしくお願いいたします。
それではまた次回に。

目次

行政書士が何をする人か知っていますか?

行政書士開業に向けての準備について その1

行政書士開業に向けての準備について その2

行政書士開業に向けての準備について その3

行政書士開業に向けての準備について その4

行政書士開業に向けての準備について その5

行政書士開業に向けての準備について その6

行政書士開業に向けての準備について その7

狐と狸の化かし合い

資格学校は行政書士をどう考えている?

資格学校は行政書士をどう考えている? その2

資格学校は行政書士をどう考えている? その3

資格学校は行政書士をどう考えている? その4

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