業務が円滑に回る、とは?(8/100)
はじめに
こんにちは。スキマです。note100記事に挑戦中です。製造業の現場作業員で、普段は配線とか溶接とかしてます。長い事在籍しているので、雑用係ランクは結構上がりました。
部署の仕事には中心と周辺がある
製造部であれば製造がメインで、不良品の手直しとかゴミ捨てとか書類作成とかは面倒臭がられて後回しになったり、運搬ぐらいは手伝うけどフォークリフトの手配と返却はそっちでやってよ、などとメインから離れた作業は積極的に引き取ろうとしません。それはその通りで、理由がある。
専門部署(専門家)が居るなら任せた方が早い
餅は餅屋理論ですね。運搬のプロや検査のプロが居るなら、そっちに任せた方が早くて確実だ、と丸投げが発生しがちです。
不慣れなことはできればやりたくない
経験値が十分にないと、思わぬところで時間がかかったり、そもそも必要な時間の見積もりが甘かったり、段取りをミスして待ちぼうけになったりしがちです。そりゃそうです。私だって溶接ならやりますが、旋盤で超精密加工やってくれと図面渡されても何時間で完成するか予想できない。
できればみんな得意科目で勝負したい
最近の大学入試なども、得意科目で一点突破する受験形態があったりするらしい。苦手を克服するよりも得意を伸ばすほうが良いと思う人は割と多く居る(脱線しますが、私はこれは程度問題だと思っており、クラスで1番、学年で1番ぐらいは狙えても全国1位は相当な努力が必要なはず)
仕事に技能を合わせるのか技能に仕事を合わせるのか
製造業では、一定の品質の製品を粛々と大量に作り続けることが求められています。俺が作ったら精度が1桁良い、と言われても困るのです。なので属人化を排除して、「誰が作っても同じ品質」が求められるので、全員がクリアできるレベルのハードルが設定されます(クリアできないひとは作業に付かせる前にトレーニングを施します)
大量生産ではなく、カスタムオーダーや量産前の検討品だったりすると、「一番上手に作れる人」や「納期に間に合う速度を有している人」が呼ばれたりします。言ってしまえばこれも周辺の仕事なハズなのですが、これについては経営層への程よいアピールポイントにでもなるのか、問題視されることはあまりません。(また脱線しますが、パートのおばちゃんなどが「私は作業が早い」とドヤるものの品質が不十分で、「作業が雑」と陰口を言われるパターンも散見されます。品質基準をクリアするのは基本なのです。)
かくして不得意科目ババ抜きが発生する
自部署のプライドを維持するためには、特徴が必要で、特徴が狙って形成されたのか他者からの評判で確率したかを問わず、得意科目として大事にされます。
ここで、A部門の得意科目とB部門の得意科目の中間地点にタスクが落ち込んで「どっちがやるんだ問題」が発生、揉めることが良くあります。
分かりやすい例としては
事務用品は総務部の担当。コピー機。
情報機器は情報部の担当。プリンタ。
ここで「コピーもFAXもプリントアウトも出来る複合機」がやってくると、「これはウチじゃない」と両方が言い出します。総務部はネットワークの設定に不慣れですし、情報部は用紙の補充まで面倒を見切れない。
落としどころを探るのが円滑のコツ
複合機が導入されたからといって、総務情報部、を新規に作って専門家を当てていたら際限がありません。話し合いなり殴り合いなりして「どないすんねん」を決める必要があります。先の例であれば一般的には「発注から検収、設定、テスト印刷完了までは情報部が面倒を見て、その後は総務が面倒を見る(そして故障したら総務から情報に救難信号が飛ぶ)」あたりが落としどころでしょうか。
この落としどころが不明確なままだと、俗にたらいまわしが発生して、著しく効率を下げます。(またまた脱線しますが、お昼ご飯を一緒に食べる3人組が総務、製造、情報、と奇跡的にキーパーソンが揃っており、その3人の誰かに相談した時に限ってトラブルが解決する魔法のような事例が発生しますが、基本的にこの特別対応が公になることはありません。)
年中こんなことやってると疲れません?
私は「問題が解決すれば細かい事は割とどうでもいい」というタイプなので、人脈やボランティアに頼る特別対応でも気にしません。「けしからん。ルールとして明文化すべきだ」という向きもありますが、おそらくその文章のメンテナンスコストの方が高いです(AIに丸投げしてAI受付を作ると言う裏技がありますが、AIに丸投げできる人がまず限られます)
そしておそらく、程度の差こそあれ会社や組織の上層部もこの手の得意科目縄張り争いの問題は認識しているものの、致命的な被害や損失が出ていない限りは、メリットがデメリットを上回って収支がプラスの間は放置されます。わざわざ火中の栗を拾いに行くほどみんな暇じゃない。
個人の(未整理な)思い
こういった背景があり、致命的な被害や損失が出る前に、ボトムアップで愉快に働ける環境って作れるんじゃないか(上層部が黙認しているならダメ元チャレンジが許される可能性が高い)、なんだかITとかデジタルとかDXとか市民開発とか色々言ってるし、という目論見があって、社内にコミュニティを作ったのですが、コミュニティ運営のノウハウを学ばなかったので悪意のある人間の暗躍を許してしまい崩壊しました。現在は撤退戦が進行中です。