よく見て、よく考える(51/100)
はじめに
スキマです。note100記事に挑戦しています。とある方の「よく見て、よく考える」という言葉に感動したので、私の思うところを記事にしています。
私の考えるPDCAサイクルの利点
ボトムアップ式の改善活動の手順として広く普及しているので、活動が空中分解するリスクが減るのが利点だと思っています。
ネット、本、多くの情報に容易に触れることが出来る
管理監督者の課題や中長期日程とすり合わせしやすく、協力を得やすい
職場の状況に応じて活動を調整しやすい
活動報告のフォーマットがシンプルで報告失敗のリスクが低い
一方、OODAループの利点
本来はPDCAサイクルとOODAループは優劣を比較するものではなく、向き不向きがあるものだと思っていますが、変化の激しい現代社会において、高速化が期待できる(さっさとActionしてさっさと次に行く)特徴がもてはやされているだけのように思えます。
Observe(観察)から始まるので「よく見る」ことができる
Orient(適応)では「よく考える」ことができ、しかも適応を工夫することでループの組み方を工夫する余地が大いにある
DecisionとActionは事前に十分検討されているので、手を動かすことに集中できて比較的無駄が無い
PDCAサイクルは確実な前進を得る、OODAループはテンポを上げる
個人の感覚ですが、PDCAサイクルは「思いつきの適当な対策から脱却し、振り返りと対策をサイクルに含んだ、行動の質を上げたり洗練させるためのガイド」の性質があるように思えます。
一方、OODAループは試行回数、すなわち速度、テンポを最重要視していると私は考えます。
サイクルとループの違い
サイクルは順番に実行していくのでサイクルです。スキップは許されません。
ループは循環、繰り返しですが、Decisionの段階で判断に至らなければ「再検討」としてObserveに戻ります。実行速度(テンポ)を重視します。
なのでOODAループは必ず「ループ」なのです。OODAサイクルとは言いません。
よく見て、よく考えたら、あとは手を動かすだけ
現場作業員は、基本的には手を動かすのは得意です。積んできた作業量、経験値が段違いです。
私の職場の大ベテランは「段取り八分(正しい段取りが組めたら、もう8割完成してる)」と良く言っていました。私もその通りだと思いますが、残念ながら彼ほど練度を詰めていないのか、完全な段取りを構築するまでに時間が掛かります。おそらく見えてない部分や考え切れていない部分が残ったまま、逡巡の余地を残したまま手を動かしてしまうようです
実は団体戦向きの「よく見る」が存在する
ここまでは個人戦用のOODAループについての説明ですが、実は団体戦向きの「よく見る」が存在します。分かりやすい例では「危険な状態」が個人によって差がある職場は良くないです。不良品の限度見本を置いたり、火災報知器を正しく設置したり、さまざまな工夫を凝らして「これはダメ」の判断基準を統一しています。これをOODAループでは「絶対的な指針と統制」と呼んで、テンポ向上のための大切な工夫として重視しています。
これは今後の記事でも詳しく解説していきます。お楽しみに。
実は団体戦向きの「よく考える」が存在する
火災報知器がなったら、即時作業を中断して、避難訓練で散々練習した通りに速やかに避難場所に向かって避難します。これは「正しく考えた結果の行動」をあらかじめインストールしておくことで、一瞬で「よく考えた場合と同じ行動がとれるようにする」ことを目標にしています。
野球の「エンドラン」も実に良く出来た「勝利に向けたよく考えられた行動」をサイン1個で正しく実行できるように、あらかじめ「よく考えられた一連の行動」をインストールしてあるのです。
勘の良いかたは理解したかもしれません。数多の職場にある「よくわからないけどなんとなく全員が従っている謎ルール」の正体は「考えなくても従うことで行動が迅速化される」ことを狙っているはずです。逆に行動の迅速化を達成されないルールは無意味であり害悪です。
これは今後の記事でも詳しく解説していきます。お楽しみに。